海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前
原氏らは、 進行・転移性食道扁平上皮癌 (ESCC) の日本人患者を対象に、 2次治療としての抗PD-1抗体tislelizumabによる全生存期間 (OS) 改善効果について、 第Ⅲ相国際非盲検無作為化比較試験RATIONALE-302で化学療法との比較により検討した。 その結果、 日本人においてもtislelizumab群ではOSが有意に改善し、 良好な安全性プロファイルを示した。 本研究はEsophagus誌に置いて発表された。
最近中国国産の医薬品に対する臨床研究結果が一気に増えてきたように思います。 一般化という部分で今回の解析結果のような日本人にはどうなのか、 やはり知りたいところだと思います。
【解説】進行・再発食道扁平上皮癌、 キードラッグの全てに不応・不耐となった場合の選択肢
ESCCは予後不良であり、 2次治療の選択肢は限られている。 本試験において、 tislelizumabは、 進行・転移性ESCCに対する2次治療として、 化学療法に比べOSを有意に改善した。 ここでは、 日本人患者サブグループの結果を報告する。
進行・転移性ESCCで、 1次治療中または治療後に病勢進行 (PD) を認めた日本人患者
患者を以下の2群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた
OS
無増悪生存期間 (PFS)、 客観的奏効率 (ORR)、 健康関連QOL、 治療関連有害事象 (TRAE) の発生率
tislelizumab群のOS中央値は化学療法群に比べて有意に改善した。
HR 0.59 (95%CI 0.31-1.12)
PDL-1スコアが10%以上の患者では、 tislelizumab群のOS中央値が12.5ヵ月(n=10)、 化学療法群が2.9ヵ月(n=6)であった。
HR 0.31 (95%CI 0.09-1.03)
PFS中央値
HR 0.50 (95%CI 0.27-0.95)
ORR
Grade3以上のTRAE発生割合
健康関連QOL
tislelizumab群は化学療法群に比して健康関連QOLの改善を認めた。
進行性/転移性ESCCの2次治療としてのtislelizumab投与は、 日本人患者サブグループにおいても全集団と同様、 化学療法に比べてOSを有意に改善し、 良好な安全性プロファイルを示した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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