海外ジャーナルクラブ
11日前

Zalabardoらは、 術前化学療法 (NAC) を受けた局所乳癌患者1,316例を対象に、 抗菌薬曝露と病理学的奏効の関連を後ろ向き多施設コホート研究で検討。 その結果、 抗菌薬の曝露は最適奏効 (RCB-0/I) 達成の低下と関連した (調整OR 0.56、 95%CI 0.43-0.72, p<0.001)。 研究結果はBreastに発表された。
本研究は後ろ向き観察研究であり、 抗菌薬曝露と病理学的奏効低下の関連は因果関係を示すものではありません。 臨床的に必要な抗菌薬投与は不可欠であり、 適正使用の観点からの示唆にとどまるため、 前向き検証が必要です。
局所乳癌の術前化学療法 (NAC) では抗菌薬がしばしば処方されるが、 病理学的奏効への影響は明らかでなかった。
スペインの3大学病院で2009年1月~2024年1月にNACを受けた女性を対象とした後ろ向き多施設コホート研究である。
抗菌薬の曝露はNAC開始前30日以内またはNAC中から手術までの全身性抗菌薬1コース以上と定義した。 病理学的奏効はResidual Cancer Burden (RCB) 指数で評価し、 評価項目は最適奏効 (RCB-0/I) と病理学的完全奏効 (pCR;RCB-0) であった。
1,316例中516例 (39.2%) が抗菌薬投与を受けた。
RCB-0/Iは曝露群36.4%・非曝露群48.6%と曝露群で低かった (p<0.001)。 調整後も抗菌薬の曝露はRCB-0/I達成オッズの低下と関連した (OR 0.56、 95%CI 0.43-0.72, p<0.001)。 なお、 相対用量強度 (RDI) ≧85%は曝露患者の83.9%で維持された。
サブタイプ別解析でも、 luminal、 HER2陽性、 トリプルネガティブのいずれにおいても、 抗菌薬曝露はRCB-0/I達成オッズの低下と関連していた (調整OR 0.54~0.56、 p<0.05)。 一方、 抗菌薬×サブタイプの有意な交互作用は認められなかった。 また、 抗菌薬曝露はpCR達成オッズの低下とも関連していた (OR 0.75、 95%CI 0.57-0.98、 p=0.03)。
著者らは、 「NAC直前または期間中の抗菌薬曝露は、 治療実施を考慮してもRCB-0/IおよびpCR達成の可能性低下と関連した。 これは抗菌薬適正使用を支持する一方、 臨床的に必要な抗菌薬は不可欠であり、 前向き検証を要する」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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