【ACHIEVE試験】Stage III結腸癌に対するオキサリプラチン併用術後療法
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12ヶ月前

【ACHIEVE試験】Stage III結腸癌に対するオキサリプラチン併用術後療法

【ACHIEVE試験】Stage III結腸癌に対するオキサリプラチン併用術後療法
アジア人の根治切除後のStage III結腸癌患者において、 オキサリプラチン併用術後療法 (mFOLFOX6とCAPOXレジメン) の3ヵ月投与の6ヵ月投与に対する非劣性を検証した試験ACHIEVEの結果より、 3ヵ月投与の非劣性と安全性が示された。

原著論文

中間解析結果

Efficacy and Long-term Peripheral Sensory Neuropathy of 3 vs 6 Months of Oxaliplatin-Based Adjuvant Chemotherapy for Colon Cancer: The ACHIEVE Phase 3 Randomized Clinical Trial. JAMA Oncol. 2019 Nov 1;5(11):1574-1581. PMID: 31513248

▼追跡結果

Final Analysis of 3 Versus 6 Months of Adjuvant Oxaliplatin and Fluoropyrimidine-Based Therapy in Patients With Stage III Colon Cancer: The Randomized Phase III ACHIEVE Trial. J Clin Oncol. 2022 Oct 10;40(29):3419-3429. PMID: 35512259

関連レジメン

【ACHIEVE試験】Stage III結腸癌に対するオキサリプラチン併用術後療法

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ACHIEVE試験の概要

対象

アジア人の根治切除後のStage III結腸癌患者

方法

1291例を以下の2群に1:1で割り付けた。

  • 3ヵ月群 (650例)
mFOLFOX6レジメン*を最大6サイクルまたはCAPOXレジメン**を最大4サイクル
  • 6ヵ月群 (641例)
mFOLFOX6レジメン*を最大12サイクルまたはCAPOXレジメン**を最大8サイクル
*mFOLFOX6レジメン:オキサリプラチン85mg/m²+ロイコボリン200mg/m²+フルオロウラシル400mg/m² (ボーラス投与) 、 2400mg/m² (46時間かけて) 2週毎
**CAPOXレジメン:オキサリプラチン130mg/m²+カペシタビン2000mg/m²/日 day1~15 3週毎

評価項目

主要評価項目:無病生存期間 (DFS) 

副次評価項目:全生存期間 (OS) 、 治療成功期間 (TTF) 、 有害事象、 末梢神経障害 (PSN) の発症率

ACHIEVE試験の結果

患者背景

  • 2つの治療群間、 2つのレジメン間で同様であった。
  • 70歳未満は65.5%、 男性は49.9~50.6%、 mFOLFOXレジメンを受けたのは24.8~25.1%、 高リスク集団 (T4 or N2) は43.8~44.9%

追跡期間中央値

  • 3年時:39ヵ月
  • 5年時:74.7ヵ月

DFS率 (3年時、 5年時) 

全患者

  • 3ヵ月群:79.5%、 75.2%
  • 6ヵ月群:77.9%、 74.2%
3年時:HR 0.95 (95%CI 0.76-1.20)
5年時:HR 0.95 (95%CI 0.77-1.18)、 p=0.64

mFOLFOX6レジメン集団

  • 3ヵ月群:73.9%、 68.6%
  • 6ヵ月群:72.3%、 69.7%
3年時:HR 1.07 (95%CI 0.71-1.60)
5年時:HR 1.04 (95%CI 0.71-1.54)、 p=0.82

CAPOXレジメン集団

  • 3ヵ月群:81.4%、 77.4%
  • 6ヵ月群:79.7%、 75.8%
3年時:HR 0.90 (95%CI 0.68-1.20)
5年時:HR 0.91 (95%CI 0.71-1.18)、 p=0.49

低リスク集団 (T1-3 and N1) 

  • 3ヵ月群:90.5%、 86.5%
  • 6ヵ月群:87.3%、 84.8%
3年時:HR 0.81 (95%CI 0.53-1.24)
5年時:HR 0.85 (95%CI 0.59-1.23)、 p=0.39

3ヵ月のmFOLFOX6レジメンは、 6ヵ月の同レジメンよりも予後が悪い可能性が示唆された (HR 1.41、 95% CI 0.68-2.91、 p=0.35) 。

3ヵ月のCAPOXレジメンは、 6ヵ月の同レジメンよりも予後が良好であった (HR 0.70、 95%CI 0.45-1.09、 p=0.11) 。

高リスク集団 (T4 or N2) 

  • 3ヵ月群:65.4%、 60.7%
  • 6ヵ月群:66.5%、 61.5%
3年時:HR 1.07 (95%CI 0.81-1.40)
5年時:HR 1.04 (95%CI 0.80-1.35)、 p=0.75

mFOLFOX6レジメンとCAPOXレジメンの3ヵ月と6ヵ月の治療成績は同等であった。

OS率 (5年時)

全患者

  • 3ヵ月群:87.0%
(95%CI 84.2-89.4%)
  • 6ヵ月群:86.4%
(95%CI 83.5-88.9%)
HR 0.91 (95%CI 0.69-1.20)、 p=0.51

mFOLFOX6レジメン

  • 3ヵ月群:83.2%
(95%CI 76.5-88.2%)
  • 6ヵ月群:84.6%
(95%CI 77.9-89.4%)
HR 0.99 (95%CI 0.61-1.60)、 p=0.95

CAPOXレジメン

  • 3ヵ月群:88.3%
(95%CI 85.1-90.9%)
  • 6ヵ月群:87.0%
(95%CI 83.6-89.7%)
HR 0.87 (95%CI 0.62-1.22)、 p=0.42

低リスク集団

  • 3ヵ月群:92.7%
(95%CI 89.5-95.0%)
  • 6ヵ月群:91.8%
(95%CI 88.4-94.3%)
HR 0.86 (95%CI 0.53-1.37)、 p=0.52

3ヵ月のmFOLFOX6レジメンは、 6ヵ月の同レジメンよりも、 予後が悪い可能性が示唆された (HR 1.26、 95%CI 0.54-2.94、 p=0.60) 。

3ヵ月のCAPOXレジメンは、 6ヵ月の同レジメンよりも予後が良好であった (HR 0.71、 95%CI 0.40-1.26、 p=0.24) 。

高リスク集団

  • 3ヵ月群:79.8%
(95%CI 74.6-84.0%)
  • 6ヵ月群:79.8%
(95%CI 74.7-84.1%)
HR 0.96 (95%CI 0.68-1.35)、 p=0.82

mFOLFOX6レジメンとCAPOXレジメンの3ヵ月と6ヵ月の治療成績は同等であった。

有害事象 (AE)

  • Gradeを問わないPSNは、 3ヵ月群73%、 6ヵ月群82%に生じた (p<0.0001) 。
  • 5年以上続くPSN (Gradeを問わない) が持続した患者は、 3ヵ月群8%、 6ヵ月群16%であり、 6ヵ月群で有意に多かった (p=0.0016)) 。 治療レジメン別ではmFOLFOX6群14%、 CAPOX群11%であり、 mFOLFOX6群でやや多かった (p=0.27) 。

著者らの結論

  • アジア人の根治切除後のStage III結腸癌患者において、 術後療法の期間を6ヵ月から3ヵ月に短縮しても有効性は損なわれないことが示された。
  • 持続するPSNの発生率は、 治療期間が短い方が低く、 CAPOX療法の方がmFOLFOX6療法よりも低いことが示された。
  • 3ヵ月のCAPOX療法は、 特に低リスクの患者において、 最適な治療法である可能性が示唆された。 

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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