【J Clin Oncol】再発/難治性の小細胞肺癌へのTarlatamab投与、安全性と有望な奏効持続性を確認
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1年前

【J Clin Oncol】再発/難治性の小細胞肺癌へのTarlatamab投与、安全性と有望な奏効持続性を確認

【J Clin Oncol】再発/難治性の小細胞肺癌へのTarlatamab投与、安全性と有望な奏効持続性を確認
Paz-Aresらは、 再発または難治性の小細胞肺癌 (SCLC) の患者を対象に、 Delta-like ligand 3 (DLL3) を標的とする二重特異性T細胞誘導抗体Tarlatamab (AMG 757) の安全性を第I相試験で検討。 その結果、 前治療歴の長いSCLC患者において、 Tarlatamabは管理可能な安全性と有望な奏効持続性を示した。 本研究は、 J Clin Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Tarlatamab, a First-In-Class DLL3-Targeted Bispecific T-Cell Engager, in Recurrent Small Cell Lung Cancer: An Open-Label, Phase I Study.J Clin Oncol. 2023 Jan 23;JCO2202823.PMID: 36689692

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

安全性だけではなく、 有望な臨床的効果も十分に期待されることからP1試験でJCOに掲載されています。 まさにpromising moleculeです。

🔢関連コンテンツ

肺癌のTNM臨床病期分類

肺癌の病期分類 (UICC-8版)

研究デザイン

対象

再発または難治性のSCLC患者

主要評価項目

安全性

副次評価項目

modified RECIST 1.1による抗腫瘍活性、 全生存期間 (OS)、 薬物動態。

研究結果

107名の患者が用量探索 (0.003~100mg、 73名) および拡大 (100mg、 34名) コホートでTarlatamabを投与された。

治療関連の有害事象

グレードを問わず90.7% (97名) に発現し、 グレード3以上は30.8% (33名) に発現した。 また、 1% (1名) にグレード5の肺炎が認められた。

最も一般的な治療関連有害事象はサイトカイン放出症候群で、 グレード3の1% (1名) を含む52% (56名) に発生した。

最大耐用量

最大耐用量には未到達であった。

客観的奏効率

客観的奏効率:23.4% (95%CI 15.7-32.5)

(完全奏効:2名、 部分奏効:23名)

奏効期間

奏効期間中央値:12.3カ月 (95%CI 6.6-14.9)

病勢コントロール率

病勢コントロール率:51.4% (95%CI 41.5-61.2)

無増悪生存期間

無増悪生存期間中央値:3.7カ月 (95%CI 2.1-5.4)

OS

OS中央値:13.2カ月 (95%CI 10.5-未達)

探索的解析

探索的解析により、 DLL3発現の増加を選択することで、 臨床的有用性を高めることができることが示唆された。

結論

前治療歴の長いSCLC患者において、 Tarlatamabは管理可能な安全性と有望な奏効持続性を示した。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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