海外ジャーナルクラブ
11日前

Iskandarらは、 アトピー性皮膚炎 (AD) が学業成績に与える影響について、 デンマークおよび英国における大規模な集団ベースコホートを用い、 合計約78万例の小児を対象に16歳時点の全国試験成績を解析・検証した。 その結果、 デンマークでは、 ADの有無による不合格割合や成績スコアに大きな差はみられなかったが、 活動性ADでは不合格割合が高かった。 一方、 英国ではADのある小児の方がADなし小児よりも不合格割合が低く、 平均成績スコアも高かった。 このように、 本研究全体としてADによる学業成績に対する一貫した不利な影響は示されなかった。 試験結果はJAMA誌に発表された。
欠測や選択バイアスにより推定精度に限界はあるものの、 追加解析でも結果は一貫しており主要結論への影響は限定的です。
アトピー性皮膚炎 (AD) は、 睡眠障害、 併存疾患、 心理社会的影響により学業成績を低下させる可能性があるが、 集団ベースの縦断的エビデンスは限られている。
本研究では、 ADと学業成績との関連を検討し、 疾患表現型および社会経済的背景による影響についても明らかにする。
デンマークおよび英国におけるAD有無別小児を対象とした並行集団ベースコホート研究である。
デンマークでは1986~2000年出生の小児を2018年まで追跡し、 英国では1991~92年出生の小児を2009年まで追跡した。
評価項目は16歳時点の義務教育修了時の全国試験における学業成績とし、 不合格割合および成績スコアの差を評価した。
デンマーク (77万6,214例、 AD小児 : 1万259例) では、 AD有無別で成績にほぼ差はなかった一方で、 活動性ADはADなしと比較して不合格割合が高かった。
ADあり vs ADなし
(有病割合比 1.06 [95%CI 1.01~1.12])
(95%CI -0.11~-0.01)
活動性AD vs ADなし
(95%CI 1.03~1.37)
英国 (6,623例、 AD小児 : 2,967例) では、 ADありはADなしと比較して、 不合格割合がわずかに低く成績スコアは高かった。 この結果には、 中等症・軽快型AD、 中等症・頻回型ADの小児における成績の良さが影響していた。
ADあり vs ADなし
(有病割合比 0.88 [95%CI 0.83~0.93])
(95%CI 6.49~13.86)
研究全体を通して、 疾患表現型および社会経済的背景による、 学業成績の一貫した差異は認められなかった。
著者らは、 「ADが学業成績を低下させる可能性は低いことが示され、 一定の安心材料となる知見が得られた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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