海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Kulkarniらは、 HER2陰性高リスク早期乳癌患者を対象に、 免疫療法中の抗菌薬投与が臨床転帰に与える影響について、 観察研究で検討した。 その結果、 免疫療法時における抗菌薬の同時処方は高い残存腫瘍量 (RCB) と関連することが示された。 本研究はNPJ Breast Cancer誌において発表された。
抗菌薬投与期間は不明のようですが、 仮説としては大変興味深いです。 より大きなコホートでの検証が期待されます。
本研究では、 第II相多施設共同無作為化比較試験ISPY-2において、 術前治療としてペムブロリズマブが投与された4群を対象に、 治療中の抗菌薬投与がRCBおよび病理学的完全奏効 (pCR) に及ぼす影響について評価した2次解析の結果を評価した。
HER2陰性の高リスク早期乳癌患者 : 66例
免疫療法*と同時に抗菌薬を少なくとも1回投与された患者は抗菌薬投与群 (ATB+) に、 それ以外の患者は対照群 (ATB-) に割り付けられた。
RCB指数、 pCR率
66例中18例 (27%) がATB+群に割り付けられた。
抗菌薬投与とRCBスコアにおいては、 多変量線形回帰分析においても有意な関連がみられた。
RCBインデックス係数 0.86(95%CI 0.20-1.53、 p=0.01)
著者らは 「HER2陰性高リスク早期乳癌において、 術前ペムブロリズマブ治療時による抗菌薬同時投与は、 RCBスコア上昇と関連していることが示唆された。 今後、 より大規模なコホート研究における検証が必要である」 と述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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