【Lancet】低リスク骨髄異形成症候群、ESA不応・非適応例にimetelstatが有望
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海外ジャーナルクラブ

11ヶ月前

【Lancet】低リスク骨髄異形成症候群、ESA不応・非適応例にimetelstatが有望

【Lancet】低リスク骨髄異形成症候群、ESA不応・非適応例にimetelstatが有望
Platzbeckerらは、 赤血球造血刺激因子製剤 (ESA) に反応しない、 または適応とならない、 低リスク骨髄異形成症候群 (LR-MDS) 患者を対象に、 テロメラーゼ阻害薬imetelstatの有効性を第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験IMergeで検討した。 その結果、 imetelstatはプラセボと比較し、 赤血球輸血非依存 (RBC-TI) の割合が有意に優れていることが示された。 本研究は、 Lancet誌において発表された。

📘原著論文

Imetelstat in patients with lower-risk myelodysplastic syndromes who have relapsed or are refractory to erythropoiesis-stimulating agents (IMerge): a multinational, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet. 2023 Dec 1:S0140-6736(23)01724-5. PMID: 38048786

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

輸血に関するHb閾値の設定がプロトコルでなされていないのはlimitationですが、 本研究成果からimetelstatはESAに反応しない患者に対しての治療オプションとなりそうです。

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背景

赤血球輸血依存性のLR-MDSで、 ESAに反応しない、 または適応とならない患者には、 いまだ満たされていない医療ニーズがある。

研究デザイン

対象

年齢18歳以上で、 ESA投与後の再燃または不応、 あるいはESA非適応のLR-MDS患者

介入

患者を以下の群に2 : 1の割合で割り付け。

  • imetelstat 群 : 118例
imetelstat 7.5mg/kgを4週間ごとに2時間で静脈内投与
  • プラセボ群 : 60例
プラセボを4週間ごとに2時間で静脈内投与

主要評価項目

8週間のRBC-TI

無作為化の当日から次の癌治療 (治療法がある場合) の開始まで、 少なくとも8週間連続して赤血球輸血を行わなかった患者の割合と定義

研究結果

有効性評価

主要評価項目

  • imetelstat群 : 40%
95%CI 30.9-49.3%
  • プラセボ群 : 15%
同7.1-26.6%
p=0.0008

安全性評価

Grade3~4の有害事象

  • imetelstat群 : 91%
  • プラセボ群 : 47%

imetelstat群において頻度の高かった有害事象

好中球減少

  • imetelstat群 : 68%
  • プラセボ群 : 3%

血小板減少

  • imetelstat群 : 62%
  • プラセボ群 : 8%

結果の解釈

imetelstatは、 ESAに反応しない、 または適応とならないLR-MDS患者に対して、 持続的な赤血球輸血の非依存達成を示した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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