海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前
Abdul-Azizらは、 敗血症または敗血症性ショックでICU入院中の重症成人患者を対象に、 β-ラクタム系抗菌薬の持続点滴投与と間欠点滴投与の効果を系統的レビューおよびメタ解析で検討した。 その結果、 β-ラクタム系抗菌薬の持続点滴投与は間欠点滴投与と比較して、 90日死亡リスクの低下と関連していることが明らかとなった。 本研究はJAMA誌において発表された。
敗血症/敗血症性ショックでICU入院中の重症成人患者において、 β-ラクタム系抗菌薬の持続投与は間欠投与と比較して90日死亡リスクの低下と関連していた、 との結果がJAMAで公表される意味が大きいです。 間違いなくガイドライン記載への布石ですので、 そのように変わると思っていた方が良いでしょう。
敗血症および敗血症性ショックは、 重篤な感染症によって引き起こされる全身性の炎症反応であり、 高い死亡率が特徴である。
β-ラクタム系抗菌薬投与が治療の中心であるが、 持続点滴投与が重要な転帰の改善と関連するかどうかは不明である。
敗血症または敗血症性ショックの重症成人患者9,108例を対象とした、 18件の無作為化比較試験
90日全死因死亡率
ICU死亡率、 臨床的治癒率など
持続点滴投与は間欠点滴投与と比較して、 90日全死因死亡リスクが低下した。
90日全死因死亡のリスク比 : 0.86
(95%CrI* 0.72-0.98、 I²=21.5%、 エビデンスの確実性 : 高)
また、 持続点滴投与が90日全死因死亡率の低下と関連している事後確率は99.1%であった。
持続点滴投与はICU死亡リスクの低下と関連していた。
ICU死亡のリスク比 : 0.84
(95%CrI 0.70-0.97、 エビデンスの確実性 : 高)
持続点滴投与は臨床的治癒率の増加と関連していた。
臨床的治癒のリスク比 : 1.16
(95%CrI 1.07-1.31、 エビデンスの確実性 : 中)
著者らは、 「 敗血症または敗血症性ショックでICU入院中の重症成人患者において、 β-ラクタム系抗菌薬の持続点滴投与は間欠点滴投与と比較して90日死亡リスクの低下と関連していた。 このエビデンスは、 臨床医が敗血症や敗血症性ショックの管理における標準治療として持続点滴投与を考慮すべきことを示している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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