【第Ⅱ相試験】乳癌に対するゲムシタビン
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5ヶ月前

【第Ⅱ相試験】乳癌に対するゲムシタビン

【第Ⅱ相試験】乳癌に対するゲムシタビン
アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤による化学療法歴のある、 転移性または再発性乳癌患者において、 ゲムシタビン単剤療法の効果を検証した単群コホートの第Ⅱ相試験の結果より、 ゲムシタビン1,250mg/m²の忍容性と有効性が示された。

原著論文

解析結果

Phase II study of gemcitabine monotherapy as a salvage treatment for Japanese metastatic breast cancer patients after anthracycline and taxane treatment. Jpn J Clin Oncol. 2009 Nov;39(11):699-706. PMID: 19776022

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第Ⅱ相試験の概要

対象

  • アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤による化学療法歴のある、 転移性または再発性乳癌患者
  • 20~75歳
  • 試験薬投与前28日以内に、 画像診断で測定可能な病変が少なくとも1つある。

方法

ステップ1

6例に対し、 ゲムシタビン*1,000mg/m² (日本で正式に承認された用量) を初回用量として投与。 用量制限毒性が発現しないことを確認し、 新たな6例に対し、 ゲムシタビン1,250mg/m²を投与した。 1,250mg/m²で用量制限毒性を報告したのは6例中1例のみであり、 1,250mg/m²がステップ2の用量として決定された。

*ゲムシタビンは、 day1,8に3週毎に投与された。

ステップ2

さらに56例が、 ゲムシタビン1,250mg/m²の用量で割り付けられた。

評価項目

奏効率 (ORR) 、 奏効期間 (DR) 、 奏効までの期間、 無増悪期間 (TTP) 、 全生存期間 (OS) 

第Ⅱ相試験の結果

患者背景

ステップ2 (62例の結果)

  • 年齢中央値:53.0歳
  • エストロゲン受容体陽性:59.7%
  • プロゲステロン受容体陽性:37.1%
  • HER2陰性:43.5%

ORR

8.1%

(95%CI 2.7-17.8%)

DR中央値

10.07ヵ月

(範囲 4.5-13.8ヵ月)

奏効までの期間 (中央値)

3.30ヵ月

(範囲 1.2-14.4ヵ月)

TTP中央値

92.0日

(範囲 29-651日)

OS中央値

17.8ヵ月

(95%CI 14.9ヵ月-incalculable)

OS率 (1年)

67.7%

(95%CI 56.1-79.4%)

有害事象 (AE)

  • 1,250mg/m²投与の1例が、 試験中に急性呼吸不全で死亡した。
  • 重篤なAEが報告されたのは、 10例 (16.1%) であった。
  • 試験中止に至ったAEは、 4例 (6.5%) に認められた。
  • 投与量の減量、 投与スキップ、 投与遅延に至ったAEは、 それぞれ9例、 11例、 32例であった。

著者らの結論

アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤による化学療法歴のある、 転移性または再発性乳癌患者において、 ゲムシタビン単剤療法は、 適切な支持療法とスケジュール・用量調節を行うことにより、 1,250mg/m²で忍容性があり、 中等度の有効性を示した。

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