海外ジャーナルクラブ
4日前

Hornらは、 米国の肥満成人を対象に、 GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドの最大耐用量 (MTD) で達成された体重減少の維持において、 チルゼパチドMTD継続または5mgへの減量の有効性および安全性について、 多施設共同第Ⅲb相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験SURMOUNT-MAINTAINで評価した。 その結果、 チルゼパチドMTDの継続投与で体重減少および健康関連ベネフィットは良好に維持され、 5mgへの減量も中止に代わる有効な選択肢となり得ることが示唆された。 本研究はLancet誌において発表された。
糖尿病患者が除外されていたことから、 糖尿病合併例への適用可能性は不明です。
肥満治療は長期的な健康および生活の質 (QOL) の改善に寄与する。 体重減少とその維持は、 これらの目標達成に重要である。
そこで本研究では、 肥満成人において、 チルゼパチドMTDで達成した体重減少の維持において、 チルゼパチドMTD継続または5mgへの減量の有効性および安全性を評価した。
第Ⅲb相プラセボ対照無作為化比較試験SURMOUNT-MAINTAINは、 米国20施設で112週間にわたり実施され、 60週間の非盲検減量期間と52週間の二重盲検体重維持期間から構成された。
対象は、 チルゼパチドMTD (10mgまたは15mg) の週1回皮下投与による初期体重減少期間を完了し、 以下を満たす18歳以上の成人患者であった。
60週間の非盲検減量期間後、 378例が以下の3群に3 : 3 : 2で無作為に割り付けられた。
84週時 (無作為化から24週時) 以降、 体重再増加が50%を超えた場合は、 レスキュー療法としてチルゼパチドの投与を受けることができた。
主要評価項目は、 ベースラインから112週時までの体重変化率であった。
主要推定対象は修正治療レジメン推定対象とし、 治療中止や禁止薬開始の有無に関わらず無作為化された全参加者を解析対象に含めた。 一方でレスキュー療法としてチルゼパチドを開始した参加者については、 割り付けられた試験治療からそれ以上のベネフィットは得られなかったものと仮定した。 有効性推定対象は支持的解析として位置付けられた。 安全性は、 試験薬を少なくとも1回投与された全参加者で評価した。
二重盲検体重維持期間中に試験薬を少なくとも1回投与された参加者は372例であり、 内訳はチルゼパチドMTD群が139例、 チルゼパチド5mg群が142例、 プラセボ群が91例であった。 345例が試験を完了した。
参加者の67%は白人で、 65%が女性、 35%が男性であり、 平均年齢は46.6歳 (標準偏差 [SD] 13.0歳) であった。 ベースライン時の平均体重は113.8kg (SD 27.0kg)、 BMIは40.1kg/m² (SD 8.1kg/m²)、 HbA1cは5.64% (SD 0.4%、 38.2mmol/mol [SD 4.0mmol/mol]) であった。
ベースラインから112週時までの体重変化率のモデルに基づく推定値は、 チルゼパチドMTD群が-21.9% (95%CI -23.5~-20.3%、 プラセボ群との推定治療差 [ETD] -12.0%㌽ [95%CI -13.8~-10.1%㌽])、 チルゼパチド5mg群が-16.6% (95%CI -18.0~-15.1%、 ETD -6.6%㌽ [95%CI -8.3~-5.0%㌽])、 プラセボ群が-9.9% (95%CI -11.1~-8.8%㌽]) であり、 すべての比較で有意差が認められた (いずれもp<0.0001)。
減量した体重の50%以上が再増加した参加者のうち、 チルゼパチドMTD群の8%、 チルゼパチド5mg群の25%、 プラセボ群の67%がレスキュー療法を受けた。
チルゼパチドで最も多く認められた有害事象は胃腸障害であった。 重症度は主に軽度から中等度であり、 ほとんどが用量漸増中に発現した。
著者らは 「肥満成人では、 体重減少とそれに伴う心血管代謝上のベネフィットを維持するために、 長期治療が必要となることが多い。 SURMOUNT-MAINTAIN試験では、 チルゼパチドMTDの継続投与により、 体重減少および健康関連ベネフィットが維持された。 また、 チルゼパチド5mgへの減量は、 中止に代わる有用な選択肢となり得るものの、 治療反応には個人差がある可能性がある。 これらの知見は、 長期的な肥満管理における継続治療の重要性を支持するとともに、 個別化された患者中心の肥満治療に役立つエビデンスを提供するものである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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