【Lancet Oncol】HER2陰性進行胃/GEJ腺癌の1次治療、 改良型FLOT vs FOLFOX
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11ヶ月前

【Lancet Oncol】HER2陰性進行胃/GEJ腺癌の1次治療、 改良型FLOT vs FOLFOX

【Lancet Oncol】HER2陰性進行胃/GEJ腺癌の1次治療、 改良型FLOT vs FOLFOX
Zaananらは、 切除不能または転移性の局所進行HER2陰性胃癌 (GC) /食道胃接合部腺癌 (GEJC) 患者を対象に、 1次治療に用いる改良型FLOT療法 (TFOX) の有効性および安全性を第Ⅲ相多施設共同非盲検無作為化比較試験PRODIGE 51-FFCD-GASTFOXで検討した。 その結果、 TFOXはFOLFOXと比べて、 無増悪生存期間、 全生存期間、 奏効率をいずれも有意に改善したことが明らかとなった。 研究結果はLancet Oncol誌に発表された。 

📘原著論文

TFOX versus FOLFOX in first-line treatment of patients with advanced HER2-negative gastric or gastro-oesophageal junction adenocarcinoma (PRODIGE 51- FFCD-GASTFOX): an open-label, multicentre, randomised, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2025 Apr 23:S1470-2045(25)00130-5. Online ahead of print. PMID: 40286809

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

Limitationには、 ヨーロッパの1カ国のみで実施されたものであるため、 この研究の結果をアジアなど他の地域に一般化することはできません。 例えば、 日本で実施された第III相試験JCOG1013…と記載されています。

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背景

切除不能・転移性例の1次治療にFOLFOXの効果は不十分

周術期のFLOT (フルオロウラシル+オキサリプラチン+ドセタキセル) は、 切除可能な局所進行HER2陰性胃癌 (GC) /食道胃接合部腺癌 (GEJC) に対する標準治療である。 切除不能または転移性患者の1次治療にはFOLFOXが広く用いられてきたが、 無増悪生存期間 (PFS) 率と全生存期間 (OS) 中央値が依然として低く、 奏効率 (ORR) も低いのが現状である。

そこでこの研究では、 切除不能または転移性患者を対象に、 1次治療としてのTFOXの有効性および安全性をFOLFOXと比較した。

研究デザイン

切除不能・転移性例への1次治療でTFOXとFOLFOXを比較

同試験の対象は、 フランスの医療センター96施設における18歳以上の未治療で切除不能または転移性の局所進行HER2陰性GC/GEJC患者507例で、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。

  • TFOX群: 254例
2週を1サイクルとしてドセタキセル50mg/m²+ホリナート400mg/m²+オキサリプラチン85mg/m²+5-FU 2,400mg/m²を46時間持続投与
  • FOLFOX群: 253例
2週を1サイクルとしてホリナート400mg/m²+オキサリプラチン85mg/m²+5-FU 400mg/m²のボーラス投与+2,400mg/m²を46時間持続投与

施設、 ECOG PS、 術前化学療法または化学放射線療法実施の有無、 腫瘍の病期、 腫瘍部位、 組織型によって層別化された。

主要評価項目はintention-to-treat (ITT) 集団の無増悪生存期間 (PFS)、 副次的評価項目はOS、 奏効率 (ORR) などであった。

HRおよび95%CIは、 非層別Cox比例ハザードモデルを用いて推定された。 比例ハザード性が成り立たない場合は、 治療効果の大きさを推定するために制限付き平均生存時間 (RMST) が用いられた。

結果

PFS中央値はTFOX群で有意に延長

年齢中央値は64.2歳 (IQR 56.7-70.8) で、 79%が男性、 21%が女性であった。

追跡期間中央値42.8ヵ月 (IQR 25.8-49.9ヵ月) において、 主要評価項目であるPFS中央値はTFOX群が7.59ヵ月 (95%CI 7.06-7.95ヵ月) であり、 FOLFOX群の5.98ヵ月 (95%CI 5.65-6.97ヵ月) と比べて有意に改善した (p=0.013)。

比例ハザード性が成り立たなかったため、 RMST (追跡期間12ヵ月時のPFS平均値) を算出したところ、 TFOX群が7.52ヵ月 (95%CI 7.06-7.97ヵ月) であり、 FOLFOX群の6.62ヵ月 (95%CI 6.16–7.09ヵ月) に比べて有意差が認められた (p=0.0072)。

OS中央値とORRもTFOX群で有意に改善

副次評価項目であるOS中央値は、 TFOX群が15.08ヵ月 (95%CI 13.70-16.72ヵ月) であり、 FOLFOX群の12.65ヵ月 (95%CI 10.94-14.00ヵ月) と比べて有意に改善した (HR 0.82 [0.68-0.99]、 p=0.048)

またORRもそれぞれ62.3% (95%CI 56.0-68.3%)、 53.4% (95%CI 47.0-59.8%) であり、 TFOX群で有意な改善を示した (p=0.045)。

安全性プロファイルは管理可能

最も多く認められたGrade 3/4の治療中に発現した有害事象 (TEAE) は、 下痢 (TFOX群 15%、 FOLFOX群 7%)、 末梢神経障害 (32%、 20%)、 好中球減少 (27%、 18%) および倦怠感 (16%、 8%) であった。

重篤な治療関連有害事象 (TRAE) は、 TFOX群の27%、 FOLFOX群の13%に認められた。 治療関連死は、 TFOX群の2例 (敗血症性ショック1例、 消化管穿孔1例)、 FOLFOX群の1例 (敗血症性ショック1例) に報告された。

結論

TFOXが新たな1次治療となる可能性

著者らは 「切除不能または転移性の局所進行HER2陰性GC/GEJCで、 1次治療のTFOXにより、 FOLFOXと比べてPFS、 OS、 ORRが有意に改善した。 TFOXがドセタキセル3剤併用化学療法が適応となる患者に対する新たな1次治療の選択肢となる可能性が示唆された」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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