【BMJ】DPP-4阻害薬による長期治療は 「胆嚢炎」 のリスク増加と有意に関連
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【BMJ】DPP-4阻害薬による長期治療は 「胆嚢炎」 のリスク増加と有意に関連

【BMJ】DPP-4阻害薬による長期治療は 「胆嚢炎」 のリスク増加と有意に関連
He Lらは、 DPP-4阻害薬と胆嚢炎を含む胆管疾患との関連性をシステマティックレビュー、 ペアワイズメタ解析、 ネットワークメタ解析によって検討した. その結果、 DPP-4阻害薬は治療期間が長いほど胆嚢炎のリスクを増加させることが明らかとなった. 本研究はBMJ誌において発表された.

研究デザイン

  • DPP-4阻害薬、 GLP-1受容体作動薬、 SGLT2阻害薬を投与した成人2型糖尿病患者を対象に、 プラセボまたは他の抗糖尿病薬と比較したRCT.
(データソース:PubMed、 EMBASE、 Web of Science、 CENTRAL)
  • 主要評価項目は、胆嚢または胆管疾患、 胆嚢炎、 胆石症、 胆管疾患の複合とした.
  • 2名が独立してデータを抽出し、 研究の質を評価. 各アウトカムのエビデンスの質はGRADEアプローチで評価した. メタ解析では、 プールされたオッズ比と95%CIを用いた.

研究結果

  • 合計82のRCTと104、833名の参加者がペアワイズメタ解析に含まれた.
  • プラセボまたは非インクレチン薬と比較して、 DPP-4阻害薬は胆嚢・胆管疾患の複合リスク (OR 1.22、 95%CI 1.04~1.43) および胆嚢炎 (OR 1.43、 95%CI 1.14~1.79) の増加と有意に関連していた. 一方で胆石症、 胆管疾患には関連していなかった.
  • この相関は、 DPP-4阻害薬の治療期間が長い患者において認められる傾向にあった.
  • 184試験のネットワークメタ解析では、 DPP-4阻害薬は、 SGLT2阻害薬と比較して、 胆嚢・胆管疾患と胆嚢炎のリスクが高かったが、 GLP-1受容体作動薬とは差がなかった.

結論

DPP-4阻害薬は、 治療期間が長いほど胆嚢炎のリスクを増加させており、 臨床現場で医師がより注意を払う必要があることが示された.

原著

He L, et al, Dipeptidyl peptidase-4 inhibitors and gallbladder or biliary disease in type 2 diabetes: systematic review and pairwise and network meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ. 2022 Jun 28;377:e068882.PMID: 35764326

👨‍⚕️ HOKUTO監修医コメント
ネットワークメタアナリシスなのでDPP4阻害薬だけではなく、 GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬のアウトカムへの影響もわかりますが、 結果としては 「DPP4作動薬と同様に今流行りのGLP-1受容体作動薬は胆嚢炎には十分注意しないといけないこと」 が示されていますね.
こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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