海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前

日本医科大学多摩永山病院乳腺科の柳原恵子氏らの研究グループは、 国内のホルモン受容体陽性HER2陰性 (HR+/HER2-) 転移性乳癌患者への1次治療として、 CDK4/6阻害薬パルボシクリブ+内分泌療法 (ET) の実臨床における有効性および安全性を単施設後ろ向き研究で評価した。 その結果、 無増悪生存期間 (PFS) 中央値は26.6ヵ月、 病勢コントロール率 (DCR) は93.5%と良好な結果を示した。 また、 高齢およびPS 2–3の患者でも臨床的ベネフィットが得られ、 年齢やPSのみを理由にパルボシクリブの使用を除外すべきではないことが示唆された。 本研究はOncol Res誌において発表された。
高齢者やPS不良患者では特に重要なQOLや患者報告アウトカムが評価されていないのはlimitationとなります。
HR+HER2-進行乳癌、 CDK4/6阻害薬をどう使い分ける?
CDK4/6阻害薬は、 HR+/HER2-進行乳癌の治療を大きく変革したが、 高齢者やPSが不良な患者に関するエビデンスは依然として限定的である。
そこで本研究では、 アジア人患者における実臨床でのパルボシクリブ+ETの有効性および安全性を評価し、 年齢およびPS別のサブグループ解析を実施した。
2021年4月~2025年3月に、 再発または転移性HR+/HER2-進行乳癌への1次治療としてパルボシクリブ+ETを投与された同院における患者46例を後ろ向きに解析した。
主要評価項目はPFS、 副次評価項目は奏効率 (ORR)、 DCR、 安全性などであった。 年齢 (70歳未満 vs 70歳以上) およびPS (0–1 vs 2–3) 別のサブグループ解析を実施した。
PFS中央値は26.6ヵ月 (範囲1.4-69.5ヵ月) であった。
年齢別のサブグループ解析では、 70歳未満群が26.9ヵ月、 70歳以上群が26.2ヵ月であり、 両群間で有意差は認められなかった (p=0.760)。 PS別では、 PS 0–1群が26.9ヵ月、 PS 2–3群が17.8ヵ月であり、 同様に有意差が認められなかった (p=0.099)。
ORRは60.9%、 DCRは93.5%であり、 PS 2–3群の全例で病勢コントロールが達成された。
血液毒性が高頻度に認められ、 好中球減少症 (80.4%) および白血球減少症 (86.7%) が主であったが、 Grade≥3の貧血は2.2%と稀であった。
高齢患者では貧血の発現頻度が高かったものの、 全体として有害事象は管理可能であった。 47.8%の患者で減量が認められたが、 有効性の低下は認められなかった。
著者らは 「日本の実臨床において、 パルボシクリブ+ETは、 主要試験および国際的なリアルワールドエビデンスと一致して良好なPFSおよびDCRを示した。 また、 重要な点として高齢患者でも良好な忍容性を示し、 選択されたPS 2–3の患者でも臨床的ベネフィットが得られた。 これらの知見は、 年齢やPSのみを理由にパルボシクリブの使用を除外すべきではなく、 適切なモニタリングにより使用可能であることを示している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。