海外ジャーナルクラブ
8日前

Yapらは、 Class III/IV (Class Vの合併を問わない) の活動性ループス腎炎患者を対象に、 グルココルチコイド併用下でタクロリムス (TAC) を寛解導入から維持まで96週間継続投与する治療を、 標準治療のミコフェノール酸モフェチル (MMF) と比較する多施設共同・無作為化比較試験を実施。 その結果、 主要評価項目である96週時の持続的腎反応 (SRR) 率は、 TAC群58.5%、 MMF群69.2%で、 両群間で有意差は認められなかった。 一方、 急性腎障害 (AKI) と振戦はTAC群で多く、 白血球減少はMMF群で多かった。 治療関連の重篤な有害事象 (SAE) およびSAEに至った感染症はMMF群で多かった。 試験結果はKidney Int誌に発表された。
対象者は全員アジア人であり、 全身性エリテマトーデス (SLE) やループス腎炎 (LN) の病態や治療反応には人種・遺伝的差異があるため、 他の人種への一般化には注意が必要です。
📖【Nat Rev Dis Primers】ループス腎炎 総説
活動性ループス腎炎に対しては、 MMFとグルココルチコイドの併用が標準治療となっている。 本試験は、 TACとグルココルチコイドの併用を寛解導入から維持まで継続する治療の安全性と有効性をMMFとグルココルチコイドの併用を対照として比較する目的で実施された。
本試験はアジアの多施設で前向き無作為化比較試験として実施された。 対象は、 腎生検によってClass III/IV (Class Vの合併を問わない) のループス腎炎と診断された患者130例であった。
患者は以下の2群に無作為化され、 いずれの群もグルココルチコイド*を併用して96週間の継続的な寛解導入・維持療法を受けた。
主要評価項目は96週時の持続的腎反応 (SRR) 率**、 副次評価項目は96週時の完全腎寛解 (CRR) 率および部分腎寛解 (PRR) 率、 48週時のSRR率、 有害事象 (AE) であった。
96週時のSRR率はTAC群で58.5%、 MMF群で69.2%であり、 両群間で有意差は認められなかった。
96週時のCRR率はTAC群で55.4%、 MMF群で63.1%であり、 両群間で有意差は認められなかった。 48週時のSRR率はそれぞれ63.1%、 66.2%であった。
AEの発現率は両群いずれも80.0%だった。 AKIと振戦はTAC群で、 白血球減少はMMF群で多かった。
死亡は3例で、 すべてMMF群で発生していた。 治療関連の重篤な有害事象 (SAE) およびSAEに至った感染症はMMF群で有意に多かった。
著者らは、 「ループス腎炎に対する寛解導入・維持療法として96週間投与する場合、 TAC+グルココルチコイドの2剤併用による免疫抑制療法はMMF+グルココルチコイドと比べて有効性で差は認められなかったが、 安全性プロファイルは異なっていた」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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