海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Lee氏らは、 急性冠症候群 (ACS) 疑いの患者を対象に、 心筋バイオマーカーの高感度心筋トロポニン測定が5年後の心筋梗塞/死亡リスクにもたらす影響について、 ステップウェッジ・クラスター無作為化比較試験High-STEACSを用いて検討。 その結果、 高感度心筋トロポニンの導入は、 ACS患者における5年後の心筋梗塞/死亡リスク低減に関連していた。 本研究はBMJ誌において掲載された。
そもそも 「ACS疑い例において、 高感度心筋トロポニン検査導入後に、 ACS以外の非虚血性心筋損傷患者でその後の心筋梗塞または死亡の減少が観察された」 というのはトロポニン検査をACS以外に広げていく必要がありそうです。
ACSにおいては高感度心筋トロポニン検査の導入により、 従来検査に比較して多くの心筋損傷および心筋梗塞の患者が同定されている。 しかし、 長期転帰の改善有無については明らかにされていなかった。
スコットランドの2次/3次医療センター (計10施設)の救急診療部を受診したACS疑い患者: 4万8,282例
男女の性別を診断閾値として、 10施設を以下の2群に1: 1で無作為に割り付けた。
5年時の心筋梗塞または全死亡
1万360例は心筋トロポニンI濃度が99パーセンタイルを超え、 うち1,771例が高感度検査で再分類された。
全患者: 29.4% vs 25.9%
補正後HR 0.97 (95%CI 0.93-1.01)
高感度検査で再分類された患者: 63.0% vs 53.9%
補正後HR 0.82 (95%CI 0.72-0.94)
高感度心筋トロポニン検査導入後、 非虚血性心筋損傷患者ではその後の心筋梗塞または死亡の減少が観察された。
補正後HR 0.83 (95%CI 0.75-0.91)
ACS疑いの患者に対する高感度心筋トロポニン検査の導入は、 特に再分類された患者の心筋梗塞/死亡のリスクを減少させた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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