海外ジャーナルクラブ
4日前

Lundらは、 左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者を対象に、 新規の経口カルシウム感受性増強性陽性変力薬かつグレリン受容体作動薬であるAC01の安全性・忍容性を、 第Ⅰb/Ⅱa相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験GOAL-HF1で検討した。 その結果、 AC01は28日間の投与で安全かつ良好な忍容性を示し、 AC01に関連した重篤な有害事象は認められなかった。 研究結果はLancet誌において発表された。
心拍出量、 1回拍出量、 左室駆出率、 心室容積などで数値上の改善がみられたものの、 臨床転帰への有益性を示すことを目的とした試験ではなく、 NT-proBNPにも一貫した改善は認められませんでした。
HFrEFの主な病態は収縮力の低下である。 既存の陽性変力薬は有害事象を伴うことが知られている。
対象は、 6ヵ月以上の心不全歴があり、 駆出率が40%以下の18~80歳の成人患者だった (オランダ・英国・スウェーデン・イタリアの14施設)。 全患者が一次予防目的の経静脈的植込み型除細動器 (ICD) を留置し、 過度の徐脈に備えてバックアップペーシングを併用した。 選択基準には洞調律または心房細動/心房粗動(第Ⅱa相でのみ許容)があり、 安静時平均心拍数55~90拍/分が含まれた。
第Ⅰb相では患者を4つの逐次用量コホートに登録し、 AC01 (0.1mg、 0.3mg、 1.0mg、 3.0mg) またはプラセボを1日2回、 7日間投与する群に3:1で無作為に割り付けた。 第Ⅱa相では患者を以下の3群に1:1:1で割り付け、 1日2回、 28日間経口投与した。
主要評価項目は安全性および忍容性であった。
2023年2月23日~2025年8月28日に58例が無作為化された。 内訳は第Ⅰb相が32例、 第Ⅱa相が26例であった。 第Ⅱa相では1.0mg AC01群に9例、 3.0mg AC01群に8例、 プラセボ群に9例が割り付けられた。
AC01関連の有害事象は第Ⅰb相で12件、 第Ⅱa相で18件であった。 AC01に関連した重篤な有害事象はなく、 治療関連の重篤な有害事象は高感度心筋トロポニンI濃度上昇の1件のみで、 これは第Ⅰb相でプラセボを投与された患者に発生した。 軽度または中等度の治療下発現有害事象は、 AC01投与例で41例中33例(80%)、 プラセボ投与例で17例中12例(71%)に報告された。 最も多くみられた治療下発現有害事象は低血圧・非持続性心室頻拍・呼吸困難・高血糖・浮動性めまいまたは回転性めまい・頭痛であった。
心電図データでは頻拍・新規発症の頻脈性不整脈・心筋虚血、 ならびに形態学的または伝導の異常の明らかな徴候は認められなかった。 症候性低血圧の報告はなく、 高感度心筋トロポニンIおよびNT-proBNPに対するAC01の明らかな影響もみられなかった。
著者らは、 「HFrEF患者において、 AC01は28日間にわたり安全かつ良好な忍容性を示し、 この初期相試験で重大な有害事象は認められなかった。 これらの結果はAC01のさらなる大規模試験での検証を進めることを支持するものである」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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