海外ジャーナルクラブ
1年前
Whitehouseらは、 英国の集中治療室40施設において頻脈および敗血症性ショックをきたし、 ノルエピネフリンの持続投与を必要とする患者を対象に、 β遮断薬ランジオロール静脈内投与の有効性と安全性を非盲検多施設共同無作為化比較試験STRESS-Lで検討した。 その結果、 ランジオロールの静脈内投与は、 無作為化から14日間時点までのSequential Organ Failure Assessment (SOFA) スコアで測定される臓器不全を改善させなかった。 本研究は、 JAMA誌において発表された。
28日死亡率でランジオロール群がコントロールに比べて約12%ほど悪い結果です。 ランジオロールを使い慣れた医療者には、 その結果がランジオロールによる影響とは少し考えにくいと思います。 本邦でも是非とも同様のRCTを行い真の結果を検証したいものです。
敗血症性ショック患者は心筋、 免疫、 炎症、 代謝経路に影響を及ぼすアドレナリン作動性ストレスにさらされており、 β遮断薬によるカテコールアミンの悪影響を軽減することが、 死亡率の低下に関連する可能性がある。
頻脈および敗血症性ショックをきたした18歳以上の患者
患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けた。
無作為化から14日後時点までの平均SOFAスコア
本試験は予定された患者の37%が登録された時点で、 有害性の徴候が認められたため、 早期に中止された。
平均差:0.75 (95%CI -0.49-2.0、 p=0.24)
絶対差:11.7%ポイント (95%CI -4.4-27.8%ポイント、 p=0.16)
絶対差:15% (95%CI -1.7-31.6%、 p=0.08)
頻脈を伴う敗血症性ショックで長時間ノルエピネフリン治療を受けた患者において、 ランジオロールの投与はSOFAスコアで測定される臓器不全を改善させなかった。 これらの結果は、 敗血症性ショックに対するノルエピネフリン治療を受ける患者における頻脈管理にランジオロールの使用を支持するものではない。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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