HOKUTO編集部
9ヶ月前

国立がん研究センター東病院消化管内科長の設楽紘平氏らの研究グループは8月21日、 切除可能な局所進行胃癌・胃食道接合部腺癌患者を対象に、 周術期治療として抗PD-1抗体ペムブロリズマブ (Pembro) +化学療法併用と化学療法単独 (プラセボ+化学療法) の有効性および安全性を比較評価した国際共同第III相二重盲検無作為化比較試験KEYNOTE-585の最終解析結果を同研究センターの公式サイトで発表した。 同詳細はJ Clin Oncol 2025年8月19日オンライン版に掲載された¹⁾。
KEYNOTE-585試験の主解析については、 周術期におけるPembro上乗せにより病理学的完全奏効率 (pCR) は有意に改善したものの、無イベント生存期間 (EFS) の有意な延長は認められなかったことが、2023年の欧州臨床腫瘍学会 (EMSO 2023) において報告されている。
今回は、同試験の最終解析の結果が報告された。
>> 主解析結果はこちら
切除可能な局所進行胃癌・胃食道接合部腺癌患者1,007例が登録され、 主要コホート804例およびFLOT*コホート203例に割り付けられた。
主要コホートでは以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 主要コホートにおけるpCR率、 無イベント生存期間 (EFS)、 OS、 主要コホートおよびFLOTコホートにおける安全性などであった。
追跡期間中央値59.9ヵ月 (範囲 39.0-75.8ヵ月) におけるpCR率は、 プラセボ群の2.0%と比べPembro群が13.4%と有意に改善した (差 11.4%㌽ [95%CI 8.0-15.3%㌽])。
事前に設定されたサブグループにおいてもこの効果が概ね一貫して認められた。 また、 主要コホートとFLOTコホートを合わせた全体集団においても、 pCR率はそれぞれ14.2%、 2.8%と同様の傾向を示した。
EFS中央値は、 Pembro群が44.4ヵ月 (95%CI 33.0-69.8ヵ月)、 プラセボ群が25.7ヵ月 (同 20.8-36.5ヵ月) であり (HR 0.81 [同 0.67-0.98])、 Pembro群において事前に設定された有意水準を満たさなかった。
5年EFS率は、 それぞれ47%、 37%と、 Pembro群で良好な傾向を示した。 全体集団におけるEFSでも同様の傾向が示された。
これらの結果は以前行われた主解析時点での結果²⁾とほぼ一致していた。
OS中央値は、 Pembro群が71.8ヵ月 (95%CI 52.5ヵ月-NR)、 プラセボ群が55.7ヵ月 (同 41.7ヵ月-NR) であり (HR 0.86 [同 0.71–1.06])、 5年OS率はそれぞれ54%、 48%であった。
ただし、 EFSが事前に設定された有意水準を満たさなかったため、 OSについての正式な統計学的比較は実施されなかった。
主要コホートにおけるGrade3以上の治療関連有害事象 (TRAE) はPembro群で65%、 プラセボ群で63%に発現し、 新たな安全性シグナルは検出されなかった。 主なTRAEには、 好中球減少、 食欲減退、 下痢、 貧血などが含まれ、 頻度や重症度は両群間で類似していた。
研究グループは 「Pembro併用によりpCR率の有意な改善と、 EFSおよびOSの改善傾向を示した。 しかし、 EFSは統計学的な有意水準には到達せず、 OSは探索的解析であり、 今回の結果をもって、 Pembro併用を標準治療として支持するには至らなかった」 と報告している。
¹⁾ J Clin Oncol. 2025 Aug 19:JCO2500486. Online ahead of print.
²⁾ Lancet Oncol. 2024 Feb;25(2):212-224.
胃癌周術期にデュルバルマブ上乗せでEFS改善、 イベントリスク29%低減
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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