去勢抵抗性前立腺癌患者において、 ドセタキセル (DTX) 2週毎投与の効果を、 DTX3週毎投与を対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験PROSTYの結果より、 治療成功期間 (TTTF) と全生存期間 (OS) に対する有益性が示された。
原著論文
▼解析結果
2-Weekly versus 3-weekly docetaxel to treat castration-resistant advanced prostate cancer: a randomised, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2013 Feb;14(2):117-24. PMID: 23294853
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PROSTY試験の概要
対象
去勢抵抗性前立腺癌患者
方法
346例を以下の2群に1:1で割り付けた。
DTX50mg/m2を4週サイクルでday1、15に投与+PSL10㎎を連日投与
DTX75mg/m2を21日毎投与+PSL10㎎を連日投与
評価項目
- 主要評価項目:TTTF)
- 副次評価項目:無増悪期間 (TTP) 、 奏効率、 全生存期間 (OS)、 PSA反応、 安全性、 Quality of Life (QOL) *
*the functional assessment of cancer therapy-prostateスコアで評価
PROSTY試験の結果
患者背景
- 両群で同様であった。
- 患者1人当たりの治療サイクル数の中央値は、 各治療群で6サイクルであった。
TTTF中央値
(95%CI 5.0-6.2ヵ月)
(95%CI 4.5-5.4ヵ月)
HR 1.3 (95%CI 1.1-1.6)、 p=0.014
TTP中央値
(95%CI 13.6–18.1ヵ月)
(95%CI 13.2-16.0ヵ月)
HR 1.3 (95%CI 1.0-1.6)、 p=0.047
OS中央値
(95%CI 15.9-23.1ヵ月)
(95%CI 15.0-19.1ヵ月)
HR 1.4 (95%CI 1.1-1.8)、 p=0.021
PSA反応
- 2-weekly ドセタキセル群:49%
- 3-weekly ドセタキセル群:42%
奏効率
- 2-weekly ドセタキセル群:23%
- 3-weekly ドセタキセル群:22%
QOL
- ベースライン時、 6サイクル終了後、 治療終了後のいずれも2つの治療群で同様であった。
有害事象 (AE)
- 3-weekly ドセタキセル群では53%、 2-weekly ドセタキセル群では36%にGrade3-4の好中球減少が認められ (p<0.0001) 、 発熱性好中球減少症はそれぞれ14%と4%であった (p=0.001) 。
- 重篤な有害事象は2-weekly ドセタキセル群よりも3-weekly ドセタキセル群で多くみられた。
- 2-weekly ドセタキセル群の方が3-weekly ドセタキセル群よりも投与が遅れる頻度が高かった (10% vs 5%、 p<0.0001) 。
著者らの結論
去勢抵抗性前立腺癌患者において、 ドセタキセル50mg/m²の2週毎投与は、 ドセタキセル75mg/m²の3週毎投与と比較し、 TTTF及びOSを有意に延長することが示された。