海外ジャーナルクラブ
2日前

Barrattらは、 生検で診断されたIgA腎症の成人患者を対象に、 BAFF/APRIL阻害薬atacicept 150 mgの週1回皮下投与をプラセボと比較した第Ⅲ相無作為化比較試験ORIGIN 3の最終有効性解析を実施した。 その結果、 52週時のeGFRの平均変化量は、 atacicept群で-0.11 mL/分/1.73m²、 プラセボ群で-5.69mL/分/1.73m²であり、 プラセボ群と比べてatacicept群でeGFRの低下が有意に抑制された。また、 104週までのeGFRの年間変化率もプラセボ群と比べてatacicept群で有意に良好であった。 解析結果は米国腎臓学会 (ASN) の年次学術集会であるKidney Week 2026で発表され、 N Engl J Med誌に詳細が掲載された。
腎移植後にIgA腎症が再発した患者など、 特定の高リスク患者が除外されており、 これらの患者における有効性および安全性は不明です。 現在、 ataciceptの長期的な有効性および安全性を評価する試験 (NCT06674577) が進行中です。
本試験はIgA腎症の成人患者を対象にB細胞活性化因子と増殖誘導リガンドを阻害するatacicept 150 mgの週1回皮下投与をプラセボと比較した多施設共同・二重盲検・第Ⅲ相無作為化比較試験である。 その中間解析では、 ataciceptがプラセボに比べて尿蛋白/クレアチニン比を有意かつ大幅に低下させたとする結果が示されていた。 今回は事前規定された最終有効性解析の結果が報告された。
生検でIgA腎症と診断された成人患者431例が以下の2群に無作為に割り付けられた。 無作為化された431例のうち治療を受けたのは428例であった。
今回の最終有効性解析では、 副次評価項目のうち52週時のeGFR変化量と104週までのeGFRの年間変化率を評価し、 追加の評価項目と安全性も検討した。
52週時のeGFRの低下は、 プラセボ群に比べてatacicept群で有意に抑制された。
52週時のeGFRの平均変化量
群間差 5.58 mL/分/1.73m² (95%CI 3.68–7.48 mL/分/1.73m²), p<0.001
104週までのeGFRの年間変化率も、 プラセボ群と比べてatacicept群で有意に良好であった。
104週までのeGFRの年間変化率
群間差 5.00 mL/分/1.73m²/年 (95%CI 3.55–6.45 mL/分/1.73m²/年), p<0.001
腎疾患進行の複合アウトカムの発生は、 atacicept群でプラセボ群に比べ少なかった。
腎疾患進行の複合アウトカム
HR 0.24 (95%CI 0.12–0.48), p<0.001
透析導入、 腎移植、 死亡に至った例はatacicept群では認められなかったのに対し、 プラセボ群では7例であった。
有害事象の発現はatacicept群で160例 (74.8%)、 プラセボ群で167例 (78.0%) であった。 重篤な有害事象はそれぞれ7.0%、 15.4%であった。 死亡はプラセボ群の1例であった。
著者らは、 「ataciceptはプラセボに比べてeGFRの低下を抑え、 安定化させた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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