HOKUTO編集部
2ヶ月前
2024年10月14日~10月22日に、 HOKUTO医師会員3,000人を対象に、「慢性便秘薬」に関する処方調査を行った。
日常臨床において "最も処方頻度の高い慢性便秘薬" について確認したところ、 半数を超える60.5%の医師が浸透圧性下剤である 「酸化マグネシウム」 と回答した。 うち半数以上が商品名としてマグミット®を挙げた。
第2位は、 2012年に32年ぶりの新規機序便秘薬治療薬として販売開始となったクロライドチャネルアクチベーター 「ルビプロストン (アミティーザ®)」で12.6%であった。
第3位は、 2018年に世界初の胆汁酸トランスポーター阻害剤として販売開始となった 「エロビキシバット (グーフィス®)」で7.0%であった。
4位以降にはセンノシド (プルゼニド®、アローゼン®)、 ポリエチレングリコール、 ピコスルファート (ラキソベロン®)、各種漢方薬など従来の薬剤のほか、 2017年に販売開始となった便秘型過敏性腸症候群 (IBS-C) 治療薬であるリナクロチド (リンゼス®)などが挙げられた。
また、 2017年にオピオイド誘発性便秘症に対する適応で販売開始となったナルデメジン (スインプロイク®) を選択する一部診療科もみられた。
有効回答数10人以上の診療科において、 酸化マグネシウムの処方割合が最も高かったのは臨床研修医 (77.3%)、 耳鼻咽喉科 (77.1%)、 産婦人科 (76.4%)、 総合診療科 (71.4%)などであった。
その他、 小児科や腎臓内科を除く多くの診療科において高率で選択されており、 慢性便秘薬として幅広く普及していることが伺えた。
なお、 腎臓内科では酸化マグネシウム製剤は控えられる傾向にあり、 ルビプロストン (アミティーザ®)やリナクロチド (リンゼス®)が人気であった。 小児科は、 ポリエチレングリコールの選択が最多であった。
自由記述形式で聞いた処方理由に関しては、 全般的に 「安全性 (特に副作用、高齢者、腎障害)」 「有効性 (効果持続時間)」 「使い勝手 (用法用量)」 といった観点での回答が多かった。
経験的によく使用されており使い慣れた薬剤であること、 病院採用薬であるといった意見のほか、 用量調節がしやすい、安価であるなどの声がみられた。
アミティーザ®については、 その作用機序に注目するコメントや、 腎機能障害時、高齢者への使いやすさを指摘する声が多かった。 特に腎臓内科、泌尿器科、腫瘍内科、循環器内科などに支持される傾向にあった (いずれも20%以上)
グーフィス®に関しては効果の高さを指摘する声が多かった。 また1日1回の用法に関するコメントもみられた
各薬剤の使い分け詳細は、 便秘薬の分類がわかる!内服薬・坐薬・漢方薬など新薬も紹介 の記事も参照下さい。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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