HOKUTO編集部
4ヶ月前

ALK阻害薬未使用でALK陽性の日本人NSCLC患者を対象に、 第2世代ALK阻害薬アレクチニブの有効性と安全性を、 第1世代ALK阻害薬クリゾチニブと比較評価した第III相無作為化比較試験J-ALEXの事後解析の結果から、 化学療法歴の有無にかかわらず、 PFSの持続的改善が示された。 和歌山県立医科大学呼吸器内科・腫瘍内科教授の山本信之氏が発表した。
J-ALEX試験の最終解析*では、 アレクチニブはクリゾチニブに対し、 無増悪生存期間 (PFS) において優越性を示し¹⁾、 転移性ALK陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) に対する標準1次治療として確立されている。
今回は、 層別化因子の1つであった、 前治療としての化学療法歴の有無別におけるアレクチニブの有効性および安全性のデータが報告された。
対象は、 進行 (IIIB/IV期) または再発のALK陽性NSCLCで、 ALK阻害薬未使用の日本人患者であった。 化学療法歴は1レジメンまで許容された (各群36%)。
207例が以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。
クリゾチニブ中止後はアレクチニブ群へのクロスオーバーが許可された。
主要評価項目は独立判定委員会 (IRF) 評価によるPFS、 副次評価項目は、 全生存期間 (OS)、 CNS PFSなどであった。
患者背景は、 化学療法歴の有無にかかわらず両群間で概ねバランスが取れていた。 両群とも、 ベースラインのCNS転移を有する患者の割合は、 化学療法歴のない集団 (アレクチニブ群 18.2%/クリゾチニブ群 31.3%) が化学療法歴のある集団 (5.4%/21.6%) と比較してやや高かった。
IRF評価によるPFS中央値*は、 化学療法歴のない集団ではアレクチニブ群が46.9ヵ月 (95%CI 23.7ヵ月-NE) で、 クリゾチニブ群の10.3ヵ月 (同 8.4-13.8ヵ月) に比べ改善を認めた (HR 0.31、 95%CI 0.20-0.48)。
一方で、 化学療法歴のある集団では、 PFS中央値はアレクチニブ群では25.8ヵ月 (95%CI 13.9ヵ月-NE) であり、 クリゾチニブ群の8.2ヵ月 (同 6.4-15.7ヵ月) と比べ良好な結果だった (HR 0.47、 95%CI 0.26-0.81)。
5年間の追跡期間の後もOSデータはimmatureであり、 化学療法歴の有無にかかわらず、 両群で差は認められなかった。 この結果については、 クリゾチニブ群の多く (化学療法歴なし 76.1%、 化学療法歴あり 83.8%) が後続治療としてアレクチニブ群へクロスオーバーした影響が指摘された。
安全性プロファイルは、 化学療法歴の有無に関わらずアレクチニブ群で良好だった。 Grade 3-4の有害事象 (AE) の発現率は、 化学療法歴のない集団ではアレクチニブ群 34.8%/クリゾチニブ群 59.7%、 化学療法歴のある集団ではそれぞれ40.5%/62.2%だった。
また化学療法歴のない集団において、 AEによる治療中止の割合はアレクチニブ群 (7.6%) がクリゾチニブ群 (26.9%) より低かった。
以上より、 山本氏は 「本事後解析の結果は、 転移性ALK陽性NSCLC患者の1次治療において、 アレクチニブの標準治療としての位置付けを支持するものである」 と報告した。
¹⁾ Lancet. 2017 Jul 1;390(10089):29-39. Epub 2017 May 10.

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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