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7日前

【NEJM】多剤耐性結核の3剤併用療法、リネゾリドの最適用量は600mg 26週間投与か


Conradieらは, 多剤耐性結核の患者を対象に, ベダキリン・プレトマニド・リネゾリド併用療法の有効性を維持しつつ, 副作用を最小限とするためのリネゾリドの最適投与量・投与期間を無作為化比較試験で検討 (ZeNix試験) . その結果, リネゾリド600mgを26週間投与した3剤併用療法群が有害事象の発生率が少なく, リネゾリドの用量変更も少なかった. 本研究は, NEJM誌において発表された. 

📘原著論文

Conradie F, et al, Bedaquiline-Pretomanid-Linezolid Regimens for Drug-Resistant Tuberculosis. N Engl J Med. 2022 Sep 1;387(9):810-823.PMID: 36053506

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

NEJM2020に掲載された先行研究では, リネゾリド:1200mg26週間のレジメンで末梢神経障害が81%, 骨髄抑制が48%でした. そのため今回の研究結果で600mg26週間に微調整できることとなりそうです. 4群の比較でデータのばらつきがありますが, 実際のヒューマンデータのため仕方ない部分かと思います.

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背景

ベダキリン・プレトマニド・リネゾリド併用療法は, 高度薬剤耐性結核に対して90%の有効性が報告されているが, リネゾリド1日1200mg投与時の有害事象発生率は高い.

研究デザイン

  • 対象:広範囲薬剤耐性結核 (XDR-TB) (リファンピン, フルオロキノロン, アミノグリコシドに耐性) , プレXDR-TB (リファンピン, フルオロキノロンまたはアミノグリコシドのいずれにも耐性) , またはリファンピン耐性結核で治療効果がない, または副作用のために第二選択レジメンが中止された患者.
  • 以下の4群に割り付け.
  • リネゾリド1200mg群: (26週間毎日投与)
  • リネゾリド1200mg群: (9週間毎日投与)
  • リネゾリド600mg群: (26週間毎日投与)
  • リネゾリド600mg群: (9週間毎日投与)
各群ともにベダキリン26週間投与 (200mg/日を8週間, その後100mg/日を18週間) , プレトマニド (200mg/日を26週間) を併用.
  • 主要評価項目:治療終了後26週時点での治療失敗または疾患再発と定義された不良転帰の発生率.

研究結果

181名の患者の内, 88%がXDR-TBまたはプレXDR-TBであった.

有効性評価

リネゾリド1200mg26週間・9週間投与群, 600mg26週間・9週間投与群のいずれも良好な転帰が得られた.

  • リネゾリド1200mg 26週間投与:93%
  • リネゾリド1200mg 9週間投与:89%
  • リネゾリド600mg 26週間投与:91%
  • リネゾリド600mg 9週間投与:84%

安全性評価

末梢神経障害の発生率

  • リネゾリド1200mg 26週間投与:38%
  • リネゾリド1200mg 9週間投与:24%
  • リネゾリド600mg 26週間投与:24%
  • リネゾリド600mg 9週間投与:13%

骨髄抑制の発生率

  • リネゾリド1200mg 26週間投与:22%
  • リネゾリド1200mg 9週間投与:15%
  • リネゾリド600mg 26週間投与:2%
  • リネゾリド600mg 9週間投与:7%

リネゾリドの投与量変更 (中断, 減量, 中止)

  • リネゾリド1200mg 26週間投与:51%
  • リネゾリド1200mg 9週間投与:30%
  • リネゾリド600mg 26週間投与:13%
  • リネゾリド600mg 9週間投与:13%

視神経障害は, リネゾリド1200mgを26週間投与した分の9% (4例) に発現したが, 全例で消失した.

78週間の追跡調査期間中に発生した好ましくない細菌学的転帰7例のうち6例が, リネゾリド 9週間投与群において生じた.

結論

4つの治療群すべてにおいて, 84~93%の参加者が良好な転帰を示した. リスク・ベネフィットの総合評価では, リネゾリド600mgを26週間投与した3剤併用療法群が有利であり, 有害事象の発生率が低く, リネゾリドの用量変更も少なかった.



こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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