海外ジャーナルクラブ
6日前

Portelaらは、 活動性の慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 患者を対象に、 維持療法としての経口アジスロマイシンとPDE4阻害薬roflumilastの新規使用者における中等度または重度のCOPD増悪リスクを、米国の医療保険請求データベースを用いた標的試験エミュレーション (target trial emulation)で比較検討した。 その結果、 アジスロマイシンはroflumilastに比べて初回の中等度または重度の増悪リスク低下に関連することが示された。 研究結果はBMJ誌に発表された。
対象は民間保険およびMedicare Advantage加入者に限定され、 低所得者層や社会経済的に不利な集団への一般化には限界があります。 また、 傾向スコアマッチング (PSM) により、 解析対象は両治療群で比較可能な患者に限定されました。
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COPD増悪予防では長時間作用性抗コリン薬 (LAMA)、 長時間作用性β₂刺激薬 (LABA)、 吸入ステロイド薬 (ICS) などによる維持療法が基本となる。 こうした治療で増悪を繰り返す患者には、 経口薬のアジスロマイシンまたはroflumilastが選択肢となる。 両薬剤ともプラセボと比較した無作為化比較試験で増悪抑制効果が示されているが、 両薬剤の有効性を直接比較したエビデンスは限られている。 そこで、 本研究では実臨床で治療を受けている活動性COPD患者を対象に、 アジスロマイシンまたはroflumilastの使用を新たに開始した患者の中等度または重度のCOPD増悪リスクを比較した。
本研究は、 米国の医療保険請求データベース (Optum Clinformatics Data Mart Database) の2011年3月1日~2024年8月31日のデータを用いた標的試験エミュレーションである。 対象は活動性COPDを有する40歳超の患者で、 183日以上継続して保険に加入し、 維持療法として経口アジスロマイシンまたはroflumilastを新たに処方された患者のうち、 除外基準*に該当しない患者とした。
両群を傾向スコアでマッチングし、 以下の2群を比較した。
主要評価項目は初回の中等度または重度COPD増悪までの期間とし、 Cox比例ハザードモデルでHRを推定した。
マッチング後の7,550組 (計1万5,100例) の平均年齢は70歳で、 56%が女性であった。 初回の中等度または重度のCOPD増悪の調整前の発生率は、 コホート全体で1.2/人年であった。
解析の結果、 roflumilastと比べてアジスロマイシンは初回の中等度または重度の増悪のハザードが17%低下することに関連していた(HR 0.83, 95%CI 0.79-0.87)。 治療必要数 (NNT) は15 (95%CI 12-21) であった。
この結果は、 事前に規定した複数の感度分析およびサブグループ解析でも一貫していた。
著者らは、 「活動性COPD患者において、 アジスロマイシンの使用はroflumilastに比べて中等度または重度の増悪の減少と関連していた。 両薬剤の安全性は比較していないが、 今後報告される大規模な無作為化比較試験の結果を補完し得る治療成績のエビデンスが得られた」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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