海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前

Tatarianらは、 全米の妊娠歴のある女性外科医を対象としたwebアンケート調査を基に、 業務負荷と妊娠アウトカムとの関連を検討した。 その結果、 88.5%の施設では妊娠した女性外科医への業務負荷調整に関する方針が存在せず、 63.9%は妊娠中も業務負荷を継続していた。 妊娠末期の過労感は、 主要合併症、 子癇前症・妊娠高血圧、 分娩・産後合併症のリスクと有意に相関しており、 業務負荷による過労感の影響が示唆された。 試験結果はAnn Surg誌に発表された。
本調査はソーシャルメディアやメーリングリストを通じて配布されたため、 正確な回答率を算出できなかった点がlimitationです。
外科医の業務負荷は妊娠関連合併症のリスクを高めるにもかかわらず、 米国の多くの医療機関では妊娠中の女性外科医に対する支援体制が整備されていない。 そこで本研究では、 米国の外科医を対象に業務負荷と妊娠アウトカムとの関連を検討した。
全米における現在または過去に妊娠歴のある女性外科系研修医・教員を調査対象とし、 匿名のwebアンケート調査を実施した。 生児出生に至った各妊娠について、 人口統計学的情報、 業務負荷、 妊娠アウトカムに関するデータを収集した。 年齢、 人種、 妊娠回数、 補助生殖技術の使用を調整したうえで、 多変量解析により業務負荷と転帰との関連を評価した。 有意水準は、 Bonferroni補正 (0.05/9) に基づき各アウトカムで0.0056とした。
817人の女性外科医、 1,348件の生児出生が解析対象となった。
88.5%の施設では業務負荷調整に関する方針が存在せず、 63.9%の女性外科医は妊娠中に業務負荷を継続していた。
主要合併症として最も多かったのは子癇前症・妊娠高血圧 (196件、 14.5%)、 新生児合併症としては早産 (179件、 12.8%) であった。
妊娠末期の過労感は、 主要合併症 (p=0.0001)、 子癇前症・妊娠高血圧 (p=0.0003)、 分娩・産後合併症 (p=0.0001) リスクと有意に相関した。
帝王切開の予定外実施 (p=0.0096)、 早産 (p=0.0036) も名目上の有意性を示した。
著者らは、 「多くの外科医は妊娠中に業務負荷を調整しておらず、 これが過労感および合併症の一因となっている可能性がある。 妊娠中の外科医の健康を守るためには、 文化的変革と制度的政策の整備が必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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