HOKUTO編集部
12ヶ月前

切除不能なRAS/BRAF野生型転移性大腸癌 (mCRC) における1次治療として、 mFOLFOXIRI*+抗EGFR抗体パニツムマブの有効性を、 FOLFOX**+パニツムマブと比較検討した第Ⅲ相無作為化比較試験TRIPLETEの結果から、 OSの有意な改善が示された。 イタリア・University of PisaのVeronica Conca氏が発表した。
DNAミスマッチ修復 (MMR)が正常でマイクロサテライトが安定なRAS/BRAF野生型mCRCの1次治療では、 FOLFOXまたはFOLFIRI+抗EGFR抗体セツキシマブまたはパニツムマブ併用が標準治療となる。
切除不能なRAS/BRAF野生型mCRCにおける1次治療において、 mFOLFOXIRI+パニツムマブの有効性を、 FOLFOX+パニツムマブを対照として比較検討した第Ⅲ相試験TRIPLETEの主要解析では、 主要評価項目である客観的奏効率 (ORR) のほか、 無増悪生存期間 (PFS)、 早期腫瘍縮小 (ETS)、 奏効深度、 R0切除率でも改善が示されず、 一方で、 消化器毒性の増加が確認された¹⁾。
そこで本研究では、 主要解析時点ではimmatureであった全生存期間 (OS) のほか、 上記評価項目についても改めて解析した。
イタリアの57施設において登録された、 未治療で切除不能なRAS/BRAF野生型mCRC患者435例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
層別化因子は、 ECOG PS (0-1、 2)、 原発腫瘍部位 (右、 左)、 および肝転移の有無であった。
主要評価項目は全集団におけるRECISTv1.1に基づくORR、 副次評価項目はPFS、 OS、 奏効期間 (DOR)、 ETS、 転移巣のR0切除率、 安全性であった。
FOLFOX/pan群およびmFOLFOXIRI/pan群において、 年齢中央値は59/59歳、 ECOG PS 0は80%/84%、 同時性転移は88%/86%、 肝転移のみは38%/39%、 原発腫瘍が左側は88%/88%、 MMR欠損腫瘍は1%/3%であった。
追跡期間中央値60.2ヵ月におけるOS中央値(mOS) は、 FOLFOX/pan群の33.3ヵ月と比べて、 mFOLFOXIRI/pan群では41.4ヵ月と有意に改善した (HR0.79 [95%CI 0.63-0.99]、 p= 0.049)。
また、 OSのサブグループ解析において、 注目すべき分子生物学的因子または臨床的因子は認められず、 いずれのサブグループにおいても一貫してmFOLFOXIRI/pan群における優位性が認められた。
アップデートされたPFS中央値は、 FOLFOX/pan群で12.4ヵ月、 mFOLFOXIRI/pan群で12.7ヵ月であり、 両群間に有意差は認められなかった (HR 0.95 [95%CI 0.78-1.16]、 p=0.606)。
ORRも有意差は認められず (OR 0.84 [95%CI 0.54-1.31]、 p=0.442)、 ETS率、 DOR、 転移巣のR0切除率、 病勢コントロール率 (DCR) も同様であった。
2次治療以降を受けた患者の割合は、 FOLFOX/pan群およびmFOLFOXIRI/pan群で概ね同様であった (2次治療 73%/71%、 3次治療 51%/49%、 4次治療 31%/32%)。
病勢進行 (PD) 後に、 FOLFOX/pan群では抗VEGF抗体 (80%/63%) およびイリノテカン (91%/79%) の投与を受けた患者の割合が高かった一方で、 mFOLFOXIRI/pan群ではオキサリプラチン (35%/47%) の投与を受けた割合が高かった。
また、 抗EGFR抗体の投与を受けた割合は、 それぞれ48%、 53%であり、 根治を目的とした局所治療を受けた患者は両群とも16%と、 両群間で大きな差は認められなかった。
Conca氏は 「本研究において、 mFOLFOXIRI+パニツムマブはFOLFOX+パニツムマブと比べて有意にOSが改善し、 中央値として約8ヵ月の群間差が認められた。 一方で、 アップデートされたORRやPFSなどに有意差は認められず、 主要解析同様の結果となった。 今後は毒性の軽減を図るとともに、 統合解析を通じて治療全体のベネフィットをより正確に評価することが求められる」 と報告した。

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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