海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Merensteinらは、 急性下気道感染症 (LRTI) に一致する症状を有する患者を対象に、 抗菌薬の使用がLRTIによる咳嗽の持続期間および重症度に与える影響を前向き研究で検討した。 その結果、 抗菌薬の投与はLRTIによる咳嗽の持続期間や重症度の軽減に有意な影響を与えないことが明らかとなった。 本研究はJ Gen Intern Med誌において発表された。
研究デザインとしては非常に弱く、 抗菌薬投与と下気道感染の軽減とは関連がないとまでしか言えないです。 本文の結論がかなり長い記載になっているも弱い結論を間接的に示唆します。 今回の研究からは 「効果」 については何も言えない、 というのがアカデミアとしての見方になります。
LRTIの治療において抗菌薬の使用は一般的であるが、 その有効性に関するエビデンスは限定的である。 本研究の目的は、 抗菌薬の使用がLRTIによる咳嗽の持続期間と重症度に及ぼす影響を評価することである。
咳嗽を主訴とし、 LRTIに一致する症状を理由に米国のプライマリ・ケア施設または急病診療所を受診した患者 (718例) のデータを基に、 抗菌薬の使用が下気道感染症の罹患期間や重症度に及ぼす影響を検討した。
徴候/症状の重症度
ベースライン時に患者の29%に抗菌薬が処方された。
最も一般的な抗菌薬はクラブラン酸/アモキシシリン、 アジスロマイシン、 ドキシサイクリン、 アモキシシリンで患者の85%において使用されていた。
抗菌薬の投与は、 咳嗽の持続期間や全体的な重症度の軽減に影響を及ぼさなかった。
抗菌薬の投与は再診の可能性を減少させた (14.1% vs 8.2%)。 これは再診時に抗菌薬を得る動機が取り除かれたためものと考えられた。
補正後OR 0.47、 95%CI 0.26-0.84
抗菌薬を投与された患者はコルチコステロイドを投与される可能性が高かった (31.9% vs 4.5%)。
p<0.001
抗菌薬を投与された患者は吸入器によりアルブテロールを投与される可能性が高かった (22.7% vs 7.6%)。
p<0.001
患者は抗菌薬投与により罹病期間が4日近く短縮すると考えていた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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