【CheckMate 648試験】食道癌1次治療におけるニボルマブ+化学療法
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12ヶ月前

【CheckMate 648試験】食道癌1次治療におけるニボルマブ+化学療法

【CheckMate 648試験】食道癌1次治療におけるニボルマブ+化学療法
前治療歴のない、 切除不能進行・再発・転移性食道扁平上皮癌患者において、 ニボルマブ (NIVO) と化学療法 (chemo) の併用療法と、 NIVOとイピリムマブ (IPI) の併用療法の効果を、 chemo単独を対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験CheckMate 648の結果より、 両併用療法の全生存期間 (OS) に対する有効性が示された。

原著論文

▼解析結果

Nivolumab Combination Therapy in Advanced Esophageal Squamous-Cell Carcinoma. N Engl J Med. 2022 Feb 3;386(5):449-462. PMID: 35108470

関連レジメン (FP+Nivo)

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関連レジメン (IPI+Nivo)

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CheckMate 648試験の概要

対象

前治療歴のない、 切除不能進行・再発・転移性食道扁平上皮癌患者

方法

970例を以下の3群に1:1:1で割り付けた。

  • NIVO+chemo群 (321例)
NIVO 240mgを2週毎投与+化学療法 (フルオロウラシル800mg/m² day1~5+シスプラチン80mg/m² day1を4週毎投与) 、 最長2年
  • NIVO+IPI群 (325例)
NIVO 3mg/kgを2週毎投与+イピリムマブ1mg/kgを6週毎投与、 最長2年
  • chemo群 (324例)

評価項目

  • 主要評価項目:OS、 無増悪生存期間 (PFS) 
  • 副次評価項目:奏効率

CheckMate 648試験の結果

患者背景

年齢中央値:63~64歳

男性:79~85%

アジア人:70~71%

TPS≧1%の患者:48~49%

全集団、 TPS≧1%の患者において、 治療群間で同様であった。

OS中央値

TPS≧1%の患者

  • NIVO+chemo群:15.4ヵ月
(95%CI 11.9-19.5ヵ月)
  • NIVO+IPI群:13.7ヵ月
(95%CI 11.2-17.0ヵ月)
  • chemo群:9.1ヵ月
(95%CI 7.7-10.0ヵ月)

NIVO+chemo群 vs chemo群

HR 0.54 (99.5%CI 0.37-0.80)、 p<0.001

NIVO+IPI群 vs chemo群

HR 0.64 (98.6%CI 0.46-0.90)、 p=0.001

全集団

  • NIVO+chemo群:13.2ヵ月
(95%CI 11.1-15.7ヵ月)
  • NIVO+IPI群:12.7ヵ月
(95%CI 11.3-15.5ヵ月)
  • chemo群:10.7ヵ月
(95%CI 9.4-11.9ヵ月)

NIVO+chemo群 vs chemo群

HR 0.74 (99.1%CI 0.58-0.96)、 p=0.002

NIVO+IPI群 vs chemo群

HR 0.78 (98.2%CI 0.62-0.98)、 p=0.01

OS率 (12ヵ月時)

TPS≧1%の患者

  • NIVO+chemo群:58%
  • NIVO+IPI群:57%
  • chemo群:37%

PFS中央値

TPS≧1%の患者

  • NIVO+chemo群:6.9ヵ月
(95%CI 5.7-8.3ヵ月)
  • NIVO+IPI群:4.0ヵ月
(95%CI 2.4-4.9ヵ月)
  • chemo群:4.4 ヵ月
(95%CI 2.9-5.8ヵ月)

NIVO+chemo群 vs chemo群

HR 0.65 (98.5%CI 0.46-0.92)、 p=0.002

NIVO+IPI群 vs chemo群

HR 1.02 (98.5%CI 0.73-1.43)、 p=0.90

全集団

  • NIVO+chemo群:5.8ヵ月
(95%CI 5.6-7.0ヵ月)
  • NIVO+IPI群:2.9ヵ月
(95%CI 2.7-4.2ヵ月)
  • chemo群:5.6ヵ月
(95%CI 4.3-5.9ヵ月)

NIVO+chemo群 vs chemo群

HR 0.81 (98.5%CI 0.64-1.04)、 p=0.04

NIVO+IPI群 vs chemo群

HR 1.26 (98.2%CI 1.04-1.52)

ORR

TPS≧1%の患者

  • NIVO+chemo群:53%
  • NIVO+IPI群:35%
  • chemo群:20%

全集団

  • NIVO+chemo群:47%
  • NIVO+IPI群:28%
  • chemo群:27%

奏効期間

TPS≧1%の患者

  • NIVO+chemo群:8.4ヵ月
  • NIVO+IPI群:11.8ヵ月
  • chemo群:5.7ヵ月

全集団

  • NIVO+chemo群:8.2ヵ月
  • NIVO+IPI群:11.1ヵ月
  • chemo群:7.1ヵ月

サブグループ解析

  • TPS<1%の患者では、 OS中央値は各治療群で約12ヵ月であり、 chemo群と比較してNIVO含有レジメンではPFSの延長は認められなかった。 ORRは、 chemo群 (34%) よりNIVO+chemo群 (42%) の方が高く、 奏効期間が12ヵ月以上であった患者の割合は、 NIVO+chemo群38%、 NIVO+IPI群47%、 chemo群27%とNIVO含有レジメンの方が高かった。
  • CPS≧1の患者 (91%) において、 OS中央値はNIVO+chemo群13.8ヵ月、 NIVO+IPI群12.7ヵ月、 chemo群9.8ヵ月であった。
  • CPS<1の患者 (9%) において、 OS中央値はNIVO+chemo群9.9ヵ月、 NIVO+IPI群11.5ヵ月、 chemo群12.1ヵ月であった。

有害事象 (AE)

治療関連AE (Grade3以上) の発現率

  • NIVO+chemo群:47%
  • NIVO+IPI群:32%
  • chemo群:36%

治療関連AEにより、 レジメンのいずれかの薬剤の投与中止に至った患者の割合は、 NIVO+chemo群 (34%) の方が、 NIVO+IPI群 (18%) とchemo群 (19%) よりも高かった。

著者らの結論

前治療歴のない進行食道扁平上皮癌患者において、 NIVO+chemo群と、 NIVO+IPI群は、 いずれもchemo群よりもOSを有意に延長することが示された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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