海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前

Ranaらは、 服薬アドヒアランス不良HIV感染者を対象に、 長時間作用型注射薬カボテグラビル+リルピビリンと経口ART標準治療を比較した。 その結果、 本研究は48週時点で長時間作用型注射薬群が標準治療群より優れていることが示され、 早期中止した。 48週時点でのレジメン失敗累積発生率は、 長時間作用型注射薬群で22.8%、 標準治療継続群で41.2%であり、 レジメン失敗のリスクを有意に低減した (p=0.002)。 試験結果はNEJM誌に発表された。
精神疾患、 薬物・アルコール使用、 不安定な住居などの理由でウイルス抑制が達成できていない患者を含む、 実臨床に近い幅広いHIV感染者集団を対象としている点は本研究の強みです。
服薬アドヒアランス不良HIV感染者を対象とした、 長時間作用型注射薬による抗レトロウイルス療法 (ART) の無作為化比較試験はこれまで存在しなかった。
服薬アドヒアランス不良で、 HIV-1 RNA量が持続的に200コピー/mL超または治療から脱落したHIV感染者を対象に、 非盲検の無作為化比較試験を実施した。
参加者はまず最大24週間のアドヒアランス支援の下、 経口ART標準治療を受けた (ステップ1)。 そしてHIV-1 RNA量が200コピー/mL以下となった参加者を、 1:1で標準治療継続群と長時間作用型カボテグラビル+リルピビリン毎月注射への切替群に割り付けた (ステップ2)。
主要評価項目は、 レジメン失敗 (2回連続でHIV-1 RNA量>200コピー/mL、 またはステップ2期間中の治療中止) とした。
ステップ1登録453例のうち、 306例がステップ2に進んだ (長時間作用型注射薬群 : 152例、 標準治療群 : 154例)。
ステップ2は、 48週後、 長時間作用型注射薬群が副次的評価項目で標準治療群より優れていたため早期に中止された。
48週時点のレジメン失敗累積発生率は、 長時間作用型注射薬群で有意に低下した。
48週時点レジメン失敗累積発生率
差 -18.4%㌽
(98.4%CI -32.4~-4.3%㌽、 p=0.002)
有害事象の累積発生率は、 長時間作用型注射薬群で43.5%、 標準治療群で42.4%であった。 ウイルス学的失敗に至った参加者では、 両群とも2例で耐性関連変異が発生した。
著者らは、 「長時間作用型カボテグラビル+リルピビリンは、 服薬アドヒアランス不良HIV感染者において、 レジメン失敗のリスク低減の点で標準経口薬よりも優れていた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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