海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
Kowdleyらは、 原発性胆汁性胆管炎の患者を対象に、 ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体 (PPAR) α、 δの二重作動薬であるelafibranorの有効性と安全性を多国籍第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照試験で検討した。 その結果、 elafibranorはプラセボと比較し、 52週時点の生化学的治療反応を有意に改善した。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
申し分ない結果で長期アウトカムが気になるところですが、 別の第Ⅲ相試験で検討されているようです。
原発性胆汁性胆管炎は小葉間胆管の破壊を特徴とし、 胆汁うっ滞と肝線維化を引き起こすことが知られている。 原発性胆汁性胆管炎に対するelafibranorの効果は不明である。
標準治療のウルソデオキシコール酸で十分な効果が得られなかった、 あるいは許容できない副作用が認められた原発性胆汁性胆管炎の患者
患者を以下の群に2:1の割合で無作為に割り付けた。
52週時点の生化学的治療反応
52週時点で生化学的治療反応を達成した患者
群間差:47%ポイント (95%CI 32-57%ポイント、 p<0.001)
52週時点でALP値が正常化した患者
群間差:15%ポイント (95%CI 6-23%ポイント、 p=0.002)
WI-NRSスコアの最小二乗平均変化量
中等度~重度のそう痒を有していた患者 (elafibranor群:44例、 プラセボ群:22例) におけるWI-NRSスコアの52週目までの最小二乗平均変化量に、 両群間で有意差は認められなかった。
群間差:-0.78 (95%CI -1.99-0.42、 p=0.20)
Elafibranor群でプラセボ群より多く発生した有害事象は、 腹痛、 下痢、 吐き気、 嘔吐であった。
Elafibranorによる治療は、 52週時点の生化学的治療反応において、 プラセボよりも有意に大きく改善した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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