ICI後の進行ccRCC、 ベルズチファン+レンバチニブがPFSを延長 : LITESPARK-011
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HOKUTO編集部

11日前

ICI後の進行ccRCC、 ベルズチファン+レンバチニブがPFSを延長 : LITESPARK-011

ICI後の進行ccRCC、 ベルズチファン+レンバチニブがPFSを延長 : LITESPARK-011
抗PD-(L)1療法後に進行した進行性淡明細胞型腎細胞癌 (ccRCC) 患者において、 HIF-2α阻害薬ベルズチファン+血管内皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬 (VEGFR-TKI) レンバチニブの併用療法を、 カボザンチニブを対照に比較した第III相無作為化比較試験LITESPARK-011の第2次中間解析結果から、 PFSの有意な延長が示された。 米・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J. Motzer氏が発表した。 

背景

抗PD-(L)1療法後の進行性RCC、 標準治療の確立が課題

RCCの1次治療において、 抗PD-(L)1療法が標準治療となったものの、 免疫療法後に進行した症例に対する次の治療選択肢はいまだ確立されていない。

ベルズチファンは、 RCCにおける主要な発癌機序であるHIF-2αを標的とし、 抗PD-(L)1療法およびVEGFR-TKI療法後の進行性RCCに対して承認されている。 一方、 レンバチニブはFGFR・VEGFRを含む複数のキナーゼを阻害する強力なVEGFR-TKIであり、 1次治療ではペムブロリズマブとの併用でRCCへの有効性が確立されている。 HIF-2α阻害薬とVEGFR-TKIは血管新生阻害を異なる経路で担うことから、 両薬の併用により相加・相乗的な抗腫瘍効果が期待されている。

試験の概要

対象は抗PD-(L)1療法後のccRCC

対象は、 切除不能な局所進行または転移性ccRCCで、 カルノフスキーパフォーマンスステータス (KPS) ≧70%、 全身療法のレジメン数≦2、 1次または2次治療としての抗PD-(L)1療法での増悪 (あるいは術後抗PD-(L)1療法の最終投与から6ヵ月以内の増悪) 歴のある患者だった。 前治療でのVEGFR-TKIの使用は許容された。

主要評価項目はPFSとOS

747例を以下の2群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。

  • ベルズチファン+レンバチニブ群 : 371例
ベルズチファン120mg+レンバチニブ20mgを1日1回投与
  • カボザンチニブ群 : 376例
カボザンチニブ60mgを1日1回投与

主要評価項目はBICRによるRECIST 1.1に基づく無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) だった。 副次評価項目は奏効率 (ORR)、 奏効持続期間 (DOR) などだった。 データカットオフ2025年4月9日時点での追跡期間中央値は29.0ヵ月 (範囲19.3–49.2ヵ月) だった。

試験の結果

患者背景は概ね同様

年齢、 性別などの患者背景は両群で概ねバランスが取れていた。 IMDC中間リスクはベルズチファン+レンバチニブ群が60.9%、 カボザンチニブ群が57.2%、 不良リスクはそれぞれ16.4%/17.6%だった。 前治療が1ラインの患者は67.9%/66.8%、 前治療でVEGFR-TKI投与なしが42.6%/43.9%だった。

進行・死亡リスクを30%低減

PFS中央値は、 ベルズチファン+レンバチニブ群が14.8ヵ月 (95%CI 11.2–16.6)、 カボザンチニブ群が10.7ヵ月 (同 9.2–11.1ヵ月) であり、 ベルズチファン+レンバチニブ群で進行・死亡リスクを30%低減した (HR 0.70 [95%CI 0.59–0.84]、 片側p=0.00007)。 12ヵ月PFS率はそれぞれ55.0%/41.0%、 24ヵ月PFS率は35.6%/19.1%と、 経時的に差が拡大する傾向が示された。

OSは両群間で有意差なし

OS中央値はベルズチファン+レンバチニブ群が34.9ヵ月 (95%CI 27.5ヵ月–NR)、 カボザンチニブ群が27.6ヵ月 (同 24.0–31.4ヵ月) だった (HR 0.85 [95%CI 0.68–1.05]、 片側p=0.06075)。 今回の解析時点では両群間で有意差には至らなかったが、 最終解析に向けて引き続き追跡が継続される。

ORRの差は一貫して維持

第1次中間解析において、 ORRはベルズチファン+レンバチニブ群が52.6%、 カボザンチニブ群が39.6%と両群間で有意差を認めた (片側p=0.0002)。 今回のデータカットオフ時点でも、 ORRはそれぞれ52.6%/40.2%と差は維持されたが、 統計学的検定は実施されていない。

DOR中央値はベルズチファン+レンバチニブ群が23.0ヵ月であり、 カボザンチニブ群の12.3ヵ月に比べて、 大きな差が認められた。

安全性は既報と同様

Grade 3以上の治療中に発現した有害事象 (TEAE) はベルズチファン+レンバチニブ群が84.1%、 カボザンチニブ群が82.7%と同程度だった。 治療関連AEによる死亡は、 ベルズチファン+レンバチニブ群で2例 (血栓性微小血管症1例、 肺炎1例)、 カボザンチニブ群で1例 (喀血1例) だった。

ベルズチファン特有の事象に注意

ベルズチファンに特徴的な事象として、 低酸素症 (全Grade: 15.4% vs 0%、 Grade≥3: 11.9% vs 0%) および心機能障害 (全Grade: 7.0% vs 1.1%、 Grade≥3: 4.6% vs 0.5%) がカボザンチニブ群に比べて高頻度に認められた。

結論

ベルズチファン+レンバチニブが新たな治療選択肢となる可能性

Motzer氏は 「ベルズチファン+レンバチニブは、 抗PD-(L)1療法後に進行したccRCC患者のアンメットニーズに応え、 新たな治療選択肢となり得る」 と報告した。


なお、 エーザイは2026年3月2日、 同試験結果に基づき、 抗PD-1/PD-L1療法後に増悪した進行腎細胞癌を対象とするベルズチファン+レンバチニブ併用療法について、 米国FDAが新薬承認一部変更申請 (sNDA) を受理したと発表した。 

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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