インタビュー
8ヶ月前
十和田市立中央病院 (青森県十和田市) の研修は、 1診療科に研修医1人の完全マンツーマン指導が明示されており、 ローテ中の貴重な症例や手技が独り占めできます。 杉田純一副院長と研修医一年目の堀野先生から、 研修プログラムの特徴などを聞きました。
十和田市立中央病院は、 県東部の上十三地域保健医療圏 (県土の約2割を占める) の中核病院として、 年間約6900件の救急患者を受け入れています。 総合診療科を含む25診療科を有し、 病床数は一般・精神・感染を合わせ369床あります。 地域医療機関と連携し往診に力を入れるなど、 退院後のフォローも徹底しています。
――研修医にとって、 どんな力が身に付くか。
杉田副院長 「研修中は入院患者の管理がメインですが、 外来・救急・終末期といった患者さんにも関わることも多いため、 予防医学から終末期医療まで診るプライマリケアの力を養うことができます。 看護師や管理栄養士、 ソーシャルワーカーと連携を取って診療を行うため、 チーム医療に必要なコミュニケーションスキルも高められます」
「私は外科の研修担当ですが、 研修医には点滴や経鼻経管栄養、 胸腔穿刺、 腹水穿刺などの経験をステップアップ方式でどんどん積んでもらっています。 研修医が興味のある手技には付き合いますし、 どんな手技ができるか情報発信もしています」
「毎月開催される症例発表会では、 研修医が経験した診療内容や興味深い症例を発表します。 年2回の勉強会では指導医と知識を共有し、 テーマに基づいた発表を行う機会も設けています。 将来の学会発表などにも役立つスキルになると考えています」
――研修先選びのポイントは
堀野先生 「様々な病院を見学し、 医師・コメディカル同士の関係性はもちろん、 患者さんとの接し方を含めた病院全体の雰囲気を肌で感じることが大切です。 実際に働いている医師と話すことで分かる情報がたくさんあります」
「十和田市立中央病院を研修先に選んだ理由は、 見学時に研修医の先生が積極的に手技をしている姿を見て、 学びが多い病院だと感じたからです」
――実際に研修した率直な感想は
堀野先生 「特に入職時のギャップはありませんでした。 1つの科に研修医1人しかいないため、 上級医の先生の指導を独り占めでき、 積極的に質問ができる環境です。 上級医の先生からも『今日、 この手技が経験できるよ』などと声をかけてもらえます」
「医師だけでなく、 看護師、 放射線技師、 薬剤師などの方々もスペシャリティを持って患者さんと接しており、 チーム医療を実現している病院だと改めて思います。 誤りはきちんと指摘してくれますし、 コミュニケーションもこまめに取ってくれます」
「研修医へのサポート体制も整っています。 学会、 研修会への参加費や出張旅費、 参考書の購入などに使うお金について年間30万円を上限に補助してもらえます。 また病院の徒歩圏内に研修医用の公舎も月1万円ほどの負担で借りられます」
――医師とスタッフの交流は
堀野先生 「仕事終わりに、 よく外食に出掛けます。 同期とも仲が良く、 家に集まって鍋をしたり、 誕生日会をしたりしています」
杉田副院長 「近年はコロナ禍で集まる機会は少なくなりましたが、 今年度は新採用歓迎会、 忘年会をしました。 その際は総勢200名ほどの医師・スタッフが集まりました」
―――病院周辺の魅力は
堀野先生 「病院の周りに、 市役所やスーパーなど必要な施設がそろっているので、 利便性が高いです。 休日は青森市や八戸市に出掛け、 友達とショッピングを楽しんでいます」
杉田副院長 「車で約30分の場所に十和田湖や奥入瀬渓流があるなど自然環境も豊かで、 冬場はスキー・スノボなども楽しめます。 医師によっては、 夕方に仕事を終えてからナイタースキーをしたり、 休日に山登りや釣りに出掛けたりしている人もいます」
―――医学生にメッセージを
杉田副院長 「気候は寒いですが、 ほっと心が和むような温かい職場です。 人間関係に悩まず、 和気あいあいとした環境で研修生活を過ごせます。 やる気があればいろんな手技にもチャレンジできます」
堀野先生 「国試に向けて勉強をしたり実習したりと大変だと思いますが、 今のうちにいろいろな病院を見学してみてください。 そして、 その一つに当院があればうれしいです」
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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