メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
20日前
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公先生による連載です。 今回は 「名刺を交換する際の3つのポイント」 について解説します。
病院の中では名刺を使う機会が少ない医師でも、 学会や講演、 他業種との打ち合わせなど、 「医療の外」 で活動するときには名刺交換の場面が必ず訪れます。
「医師だから、 名刺はなくても大丈夫」 と思っていると、 意外と恥をかくこともあります。 名刺は、 あなたの肩書きや所属を示すだけでなく、 ビジネスマナーの基礎を体現します。
今回は、 名刺交換の準備から渡し方、 受け取り方まで、 医師にも必要なビジネススキルとしての 「名刺術」 を解説します。
名刺交換の機会は突然やってきます。 学会会場での偶然の出会い、 懇親会で紹介された瞬間、 あるいはエレベーターで居合わせた企業関係者…。
「あっ、 今持っていないんです…」 とならないよう、 名刺は常に数枚携帯しておくことがマナーです。
名刺入れは胸ポケットや鞄の外ポケットなど、 「1秒で取り出せる場所」 に収納しましょう。
名刺を直接ポケットに入れるのはNGです。 名刺の折れや汚れは、 あなたの印象を損ないます。
可能であれば、 革製やシンプルなデザインの名刺入れを選ぶと好印象です。
名刺は目上・目下に関係なく、 気づいた方から先に出すのがスマートです。
渡すタイミングは、 会話の最初または自己紹介の流れが良いでしょう。
相手が話しているときは中断せず、 「ご挨拶が遅れました」 と一言添えてから渡しましょう。
名刺には正しい渡し方があります。 丁寧に渡すことで、 好印象につながります。
名刺は両手で持つ
親指と人差し指で、 縁をつまむ。
名刺入れを添える
名刺の下に名刺入れを添え、 台のように支える。
向きに注意する
相手がその場で読めるように、 文字を相手に向ける。
アイコンタクトを忘れない
「よろしくお願いいたします」 と一言添えると好印象。
名刺を受け取るときは両手で、 「頂戴いたします」 と一礼を添えます。 また、 受け取った名刺はすぐにしまわず、 机の上に一度丁寧に置くのがマナーです。
会話中は相手の名刺を軽く見ながら、 名前や役職を会話に取り入れると好印象です。
もらった名刺をそのままにしておくと、 後で誰の名刺か分からなくなったり、 貴重な人脈を活かせなかったりする可能性があります。
そこで推奨したいのが、 名刺管理アプリを使ったデジタル化です。 例えば 「Eight」 のようなアプリを使えば、 スマートフォンで撮影するだけで簡単に情報を整理できます。 名刺をもらったら、 すぐにデジタル化するのがおすすめです。
さらに、 受け取った日付や場所、 会話の要点などをメモしておくと、 後日見返した際に相手のことを思い出しやすくなり、 次のコミュニケーションに繋がります。
名刺は単なる紙ではなく、 皆さんの所属、 肩書き、 役割、 そして信頼が詰まっている非常に大事なビジネス道具の一つです。 名刺の渡し方・扱い方を通じて、 その人の丁寧さや誠実さが伝わると言っても過言ではありません。 プロフェッショナルな社会人として、 名刺を上手に使いこなしましょう。
レジデントのためのビジネススキル・マナー
医師として成功の一歩を踏み出す仕事術55
本書では自分が失敗から学んできた社会人としての院内・院外で必要なマナーや、 医師としての心得、 自己成長を成し遂げていくために必要な仕事術を解説していきます。 特に若手医師の皆さんにこれらを少しでも早い段階で共有することにより、 医師としてのキャリアを成功させるためのお手伝いが少しでもできれば幸いです。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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