海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Nealらは、 抗PD-L1/PD-1抗体の投与および白金製剤による化学療法を実施後の転移性非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象として、 抗PD-L1抗体アテゾリズマブとチロシンキナーゼ阻害薬カボザンチニブの併用療法の有効性および安全性について、 ドセタキセルを対照に第Ⅲ相多施設共同非盲検無作為化比較試験CONTACT-01で検討。 その結果、 同併用療法ではドセタキセルに比べて有意な全生存期間 (OS) 延長はみられなかった。 本研究はJ Clin Oncolにおいて発表された。
PFSは統計学的には有意に改善しているのに対して、 プライマリーエンドポイントであるOSは有意に改善していないためcombination therapyはsupportしないという結論に至っています。
免疫チェックポイント阻害薬の登場によってNSCLCの1次治療は改善したが、 抗PD‐L1/PD‐1抗体による治療を行っても奏効が得られない患者や病勢の進行が認められる患者に対する治療上のニーズは依然として存在する。 そこでCONTACT-01試験では、 こうしたNSCLC患者を対象としてアテゾリズマブとカボザンチニブの併用療法の有効性および安全性について、 ドセタキセルと比較検討した。
PD-L1/PD-1阻害薬の投与および白金製剤による化学療法を実施しても病勢の進行が認められる転移性NSCLC患者 : 366例
全生存期間 (OS)
無増悪生存期間 (PFS) など
10.7ヵ月 (95%CI 8.8‐12.3ヵ月)
10.5ヵ月 (95%CI 8.6‐13.0ヵ月)
層別HR 0.88 (95%CI 0.68‐1.16)、 p=0.3668
4.6ヵ月 (95%CI 4.1‐5.6ヵ月)
4.0ヵ月 (95%CI 3.1‐4.4ヵ月)
層別HR 0.74 (95%CI 0.59‐0.92)
38.4% (71例)
34.7% (58例)
39.5% (73例)
34.7% (58例)
7.6% (14例)
6.0% (10例)
著者らは 「PD-L1/PD-1阻害薬投与と白金製剤による化学療法を受けても病勢の進行がみられる転移性NSCLCにおいて、 アテゾリズマブとカボザンチニブの併用は、 ドセタキセル群と比べてOSを延長しなかった。 安全性は、 既知のプロファイルと一致していた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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