【J Clin Oncol】アテゾリズマブ+カボザンチニブは転移性NSCLCのOSを延長するか?
著者

海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【J Clin Oncol】アテゾリズマブ+カボザンチニブは転移性NSCLCのOSを延長するか?

【J Clin Oncol】アテゾリズマブ+カボザンチニブは転移性NSCLCのOSを延長するか?
Nealらは、 抗PD-L1/PD-1抗体の投与および白金製剤による化学療法を実施後の転移性非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象として、 抗PD-L1抗体アテゾリズマブとチロシンキナーゼ阻害薬カボザンチニブの併用療法の有効性および安全性について、 ドセタキセルを対照に第Ⅲ相多施設共同非盲検無作為化比較試験CONTACT-01で検討。 その結果、 同併用療法ではドセタキセルに比べて有意な全生存期間 (OS) 延長はみられなかった。 本研究はJ Clin Oncolにおいて発表された。 

📘原著論文

CONTACT-01: A Randomized Phase Ⅲ Trial of Atezolizumab + Cabozantinib Versus Docetaxel for Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer After a Checkpoint Inhibitor and Chemotherapy. J Clin Oncol. 2024 Mar 29:JCO2302166. Online ahead of print. PMID: 38552197

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

PFSは統計学的には有意に改善しているのに対して、 プライマリーエンドポイントであるOSは有意に改善していないためcombination therapyはsupportしないという結論に至っています。

🔢関連コンテンツ

Atezolizumab

テセントリク | NSCLC (遺伝子変異/転座-)
【J Clin Oncol】アテゾリズマブ+カボザンチニブは転移性NSCLCのOSを延長するか?

ICIが奏効しないNSCLCでのニーズ

免疫チェックポイント阻害薬の登場によってNSCLCの1次治療は改善したが、 抗PD‐L1/PD‐1抗体による治療を行っても奏効が得られない患者や病勢の進行が認められる患者に対する治療上のニーズは依然として存在する。 そこでCONTACT-01試験では、 こうしたNSCLC患者を対象としてアテゾリズマブとカボザンチニブの併用療法の有効性および安全性について、 ドセタキセルと比較検討した。

主要評価項目はOS

対象

PD-L1/PD-1阻害薬の投与および白金製剤による化学療法を実施しても病勢の進行が認められる転移性NSCLC患者 : 366例

介入

  • アテゾリズマブ/カボザンチニブ併用群 (186例)
アテゾリズマブは3週間に1回、 1,200mgを静脈内投与、 カボザンチニブは1日1回40mgを経口投与
  • ドセタキセル群 (180例)
3週間に1回、 75mg/m²を静脈内投与

主要評価項目

全生存期間 (OS)

副次評価項目

無増悪生存期間 (PFS)  など

PFS延長するもOS延長は認めず

OS中央値|主要評価項目

  • アテゾリズマブ/カボザンチニブ併用群 : 

10.7ヵ月 (95%CI 8.8‐12.3ヵ月)

  • ドセタキセル群 : 

10.5ヵ月 (95%CI 8.6‐13.0ヵ月)

層別HR 0.88 (95%CI 0.68‐1.16)、 p=0.3668

PFS中央値|副次評価項目

  • アテゾリズマブ/カボザンチニブ併用群 :

4.6ヵ月 (95%CI 4.1‐5.6ヵ月)

  • ドセタキセル群 : 

4.0ヵ月 (95%CI 3.1‐4.4ヵ月)

層別HR 0.74 (95%CI 0.59‐0.92) 

重篤な有害事象 (AE) の発現率

  • アテゾリズマブ/カボザンチニブ併用群 : 

38.4% (71例)

  • ドセタキセル群 : 

34.7% (58例)

治療に関連したGrade3/4のAEの発現率

  • アテゾリズマブ/カボザンチニブ併用群 : 

39.5% (73例)

  • ドセタキセル群 : 

34.7% (58例)

Grade5のAEの発現率

  • アテゾリズマブ/カボザンチニブ併用群 : 

7.6% (14例)

治療に関連した事象は2.2% (4例)
  • ドセタキセル群 : 

6.0% (10例)

治療に関連した事象は0.6% (1例)

併用によるOS延長は達成されず

著者らは 「PD-L1/PD-1阻害薬投与と白金製剤による化学療法を受けても病勢の進行がみられる転移性NSCLCにおいて、 アテゾリズマブとカボザンチニブの併用は、 ドセタキセル群と比べてOSを延長しなかった。 安全性は、 既知のプロファイルと一致していた」 と報告している。

ポストのGif画像
【J Clin Oncol】アテゾリズマブ+カボザンチニブは転移性NSCLCのOSを延長するか?の全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【J Clin Oncol】アテゾリズマブ+カボザンチニブは転移性NSCLCのOSを延長するか?