【JSMO 2025】第22回日本臨床腫瘍学会が開催間近!注目プログラムは?
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HOKUTO編集部

2ヶ月前

【JSMO 2025】第22回日本臨床腫瘍学会が開催間近!注目プログラムは?

【JSMO 2025】第22回日本臨床腫瘍学会が開催間近!注目プログラムは?
2025年2月13日、 日本臨床腫瘍学会はプレスセミナーを開催し、 3月6~8日に神戸市で開催される第22回日本臨床腫瘍学会学術集会 (JSMO 2025) 会長を務める徳島大学大学院消化器内科学分野教授の高山哲治氏らが、 JSMO 2025の概要や注目演題などについて紹介した。

JSMO 2025の概要

実臨床に役立つ個別化治療を目指して

【JSMO 2025】第22回日本臨床腫瘍学会が開催間近!注目プログラムは?
今学術集会の概要を概説する高山氏

JSMO 2025のテーマは 「Question the Oncology to Deliver Practical Personalized Therapy」。 患者にとって有益な個別化治療の提供を目指し、 がんゲノム医療や新規治療法の課題を議論する。 高山氏は 「患者が最適な治療にたどり着けるよう、 活発な議論を行いたい」 と語った。

本学術集会の目標参加者数は8,000人。 Presidential Session16題 (うち3題は海外演者) や会長企画シンポジウム9題などが予定されており、 一部セッションはライブ配信やオンデマンド配信にも対応する。 総演題数は1,267演題で、 海外演題は510演題に上る見込み。 また、 Late Breaking abstract (LBA) として約20題の新規研究発表が予定されている。

3つの注目トピック

JSMO 2025では、 がんゲノム医療の課題、 AIの活用、 医薬品承認制度の改革など、 がん治療に関する最先端のトピックが取り上げられる。

プレスセミナーでは、 JSMO 2025の各セッションで司会を務める武藤学氏 (京都大学腫瘍薬物治療学講座・腫瘍内科教授)、 谷岡真樹氏 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科AI人材育成産学連携プロジェクト)、 米盛勧氏 (国立がん研究センター中央病院乳腺科・腫瘍内科科長) によるこれらプログラムの注目トピックが紹介された。

がん遺伝子パネル検査 (ゲノム医療) の課題と今後の方向性

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注目演題を概説する武藤氏

❶ゲノム医療で推奨された保険適応外薬をどのように使うか?

会長企画シンポジウム2

日時 : 3月6日 (木) 14:00~15:30

会場 : 第2会場

司会 :武藤学氏 / 織田克利氏

京都大学 腫瘍内科学講座 / 東京大学大学院 統合ゲノム学

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会長企画シンポジウム2の各セッションと演者一覧

❷がん遺伝子パネル検査は1次治療開始前に実施するべきか?

会長企画シンポジウム6

日時 : 3月8日 (土) 14:00~15:30

司会 :馬場英司氏 / 武藤学氏

九州大学連携腫瘍学 /京都大学 腫瘍内科学講座
【JSMO 2025】第22回日本臨床腫瘍学会が開催間近!注目プログラムは?
会長企画シンポジウム6の各セッションと演者一覧
武藤氏は、 がん遺伝子パネル検査 (CGP) の現状について言及。 2019年の保険適用開始以来、 約9万4,000人が受検している一方で、 CGPに基づく治療に結びつく患者割合は10%未満にとどまる。 特に、 日本では混合診療の禁止により、 適応外薬の使用が制限されている点が課題となっている。
上記の2セッションでは、 この問題を深掘りするとともに、 免疫チェックポイント阻害薬や分子標的治療薬の発展によるデ・エスカレーション治療の開発を共有する。 また、 国立がん研究センター主導・標準治療前のがん遺伝子パネル検査の有効性を評価する先進医療B 「マルチプレックス遺伝子パネル検査」 に関する報告が今回のJSMO 2025で初公表される予定。

AIを応用したがん研究・がん診療

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注目演題を概説する谷岡氏

がん研究・診療へAIの応用

臓器横断シンポジウム21

日時 : 3月8日 (土) 14:00~16:30

司会 :谷岡真樹氏 / 平田健司氏

岡山大学医歯薬学総合研究科 / 北海道大学 画像診断学
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臓器横断シンポジウム21の各セッションと演者一覧
谷岡氏は、 AI技術の進展とがん診療への影響について説明。 プログラム医療機器の市場規模は急成長しており、 2028年には250億ドルに達すると予測されている。 また、 日本でも内視鏡AIや病理診断AIの活用が進み、 診療報酬の加算対象となるケースも増えている。 本セッションでは、 生成AIを用いた電子カルテからの患者サマリー作成、 医療AIの実臨床応用、 3D画像認識AIによる診断支援システムなど、 がん研究・診療の最新の知見が報告される。

薬剤の『条件付き承認制度』はドラッグ・ロスを解消するか!?

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注目演題を概説する米盛氏

激論!『条件付き承認制度』の活用はドラッグ・ロス対策に有用か!?

会長企画シンポジウム3

日時 : 3月6日 (木) 10:10~11:40

司会 : 米盛勧氏 / 中井清人氏

国立がん研究センター中央病院腫瘍内科 / 厚生労働省
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会長企画シンポジウム3の各セッションと演者一覧
国立がん研究センターの米盛勧氏は、 日本におけるドラッグ・ロス問題と条件付き承認制度の影響について解説。 日本では新薬承認プロセスの長期化により、 海外で使用可能な薬剤が国内で使えない 「ドラッグ・ロス」 が深刻な問題となっている。 特に、 抗癌薬のドラッグロスは患者の生死に関わる問題であり、 その対策は急務である。
2024年10月、 厚生労働省は医薬品の条件付き承認の取り扱いを一部改正。 同制度では、 一定の有効性・安全性が示唆された段階で早期承認を行い、 承認後に追加データを収集・評価する方式が認められる。 また同時期に、 希少疾患等を対象とした医薬品において、 日本人データがなくても承認を検討可能な事例の拡大に関する通知も発出された。 これらの新たな制度を通じて、 ドラッグ・ロス解消に向けた取り組みが進められている。
本シンポジウムでは厚生労働省や医薬品医療機器総合機構 (PMDA) の関係者が登壇し、 今後の医薬品開発の方向性について議論が行われる。

JSMO 2025開催概要

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会長

高山 哲治

(徳島大学大学院消化器内科学分野教授)

開催形態

ハイブリッド開催

現地開催+一部のセッションをライブ配信・オンデマンド配信

会期

現地開催+一部セッションLIVE配信期間

2025年3月6日 (木) ~3月8日 (土)

一部セッションオンデマンド配信期間

2025年3月6日 (木) ~4月30日 (水)

※教育講演のみ3月6日から配信開始。 それ以外のセッションは4月以降に配信開始

会場

神戸コンベンションセンター

神戸国際会議場、 神戸国際展示場、 ポートピアホテル

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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