海外ジャーナルクラブ
2日前

Kaminskiらは、 ノルウェー、 ポーランド、 スウェーデンの一般住民の男女を対象に、 1回の大腸内視鏡検査によるスクリーニングが大腸癌発生率および死亡率に及ぼす長期的な影響を、 無作為化比較試験 (RCT) の13年間にわたる追跡調査で評価した。 その結果、 1回の大腸内視鏡検査によるスクリーニングは13年間にわたり大腸癌発生率を有意に低下させた一方で、 大腸癌による死亡率の低下は認められなかった。 本研究はLancet誌において発表された。
参加率が42%と低めであった点、 およびスクリーニング後に実施された個別の大腸内視鏡検査データが得られていなかった点がlimitationとして挙げられます。
大腸内視鏡検査によるスクリーニングが大腸癌発生率および死亡率に及ぼす10年時点の影響が本RCTの初回解析で示されている。
本研究では、 同試験の13年間の追跡調査でその長期的な影響を評価した。
人口ベースのRCTにおいて、 登録時55~64歳であったノルウェー、 ポーランド、 スウェーデンの男女8万4,583例が大腸内視鏡検査によるスクリーニング実施の有無により以下の2群に1 : 2で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 intention-to-screen解析における10~15年間の追跡後の大腸癌発生率および死亡率であった。
初回解析は10年時に実施し、 その後の解析は隔年またはそれ以上の間隔で繰り返し実施する形で現在も進行中である。
追跡13年時で、 大腸癌発生率はスクリーニング群が1.46%であり、 非スクリーニング群の1.80%と比べて有意に低下した (intention-to-screen解析 : リスク比 [RR] 0.81 [95%CI 0.71-0.90]、 per-protocol解析 : RR 0.55 [95%CI 0.33-0.81])。
近位大腸癌の発生率はスクリーニング群が0.51%、 非スクリーニング群が0.56%であり、 両群間に有意差は認められなかった (RR 0.91 [95%CI 0.71-1.09])。
一方で、 遠位大腸癌の発生率はスクリーニング群が0.87%であり、 非スクリーニング群の1.11%と比べて有意に低下した (RR 0.79 [95%CI 0.65-0.89]、 交互作用p<0.0001)。
男性の大腸癌発生率はスクリーニング群が1.69%であり、 非スクリーニング群の2.19%と比べて有意に低下した (RR 0.77 [95%CI 0.64-0.88])。
一方で、 女性の大腸癌発生率はスクリーニング群が1.24%、 非スクリーニング群が1.43%であり、 両群間に有意差は認められなかった (RR 0.87 [95%CI 0.70-1.02]、 交互作用p<0.0001)。
大腸癌による死亡率はスクリーニング群が0.41%、 非スクリーニング群が0.47%であり、 両群間に有意差は認められなかった (intention-to-screen解析 : RR 0.88 [95%CI 0.68-1.08]、 per-protocol解析 : RR 0.70 [95%CI 0.26-1.25])。
非スクリーニング群で観察された大腸癌による死亡率は0.47%であり、 試験設計時に想定された値 (0.82%) を大きく下回っていた。
著者らは 「1回の大腸内視鏡検査によるスクリーニングは、 13年間にわたり大腸癌発生率を有意に低下させた一方で、 大腸癌による死亡率の低下は認められなかった。 大腸癌による死亡率は両群とも試験設計時の想定を下回った」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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