【EV-302/KEYNOTE-A39】未治療UCへのEV+Pemでプラチナベース化学療法のOSを初めて上回る
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HOKUTO編集部

1年前

【EV-302/KEYNOTE-A39】未治療UCへのEV+Pemでプラチナベース化学療法のOSを初めて上回る

【EV-302/KEYNOTE-A39】未治療UCへのEV+Pemでプラチナベース化学療法のOSを初めて上回る
前治療歴のない局所進行または転移性の尿路上皮癌 (la/mUC) 患者を対象に、 抗Nectin-4標的抗体薬物複合体エンホルツマブ ベドチン (EV) とペムブロリズマブ (Pem) の併用療法の有効性および安全性について、 従来の化学療法を対照として比較検討した第Ⅲ相ランダム化比較試験EV-302/KEYNOTE-A39の結果から、 無増悪生存期間 (PFS) と全生存期間 (OS) の有意な改善が示された。 英・Saint Barts Cancer InstituteのThomas Powles氏が発表した。

背景

la/mUC患者に対する現在の標準治療は、 プラチナ製剤ベースの化学療法であるが、 長期予後が不良のため、 生存期間を延長させる有効な治療法が求められている。 抗体薬剤複合体であるEVおよび抗PD-1抗体であるPemは、 前治療歴のあるla/mUC患者においてそれぞれ生存期間に対する有効性を示している。 本試験では、 前治療歴のないla/mUC患者において、 EV+Pの併用療法の有効性と安全性が検証された。

研究デザイン

対象

プラチナ製剤ベースの化学療法が適応となった、 前治療歴のないla/mUC患者

方法

登録された886例を以下の2群に1:1で割り付けた

  • EV+P群 (442例)
EV 1.25mg/kg day1,8 + Pem 200mg day1を3週毎に投与。 EVは投与回数の上限指定なし。 Pemは最大35サイクル
  • 化学療法群 (444 例)
シスプラチンもしくはカルボプラチン+ ゲムシタビンを最大6サイクル

評価項目

主要評価項目盲検下独立中央判定 (BICR) の評価によるPFS、 OS

副次評価項目BICR評価による全奏効率 (ORR) 、 安全性

研究結果

患者背景

  • 年齢中央値:69.0歳
  • 男性:75.7~77.8%
  • アジア人:20.7~22.4%
  • シスプラチン適格:54.3-54.5%
  • PD-L1高発現 (CPS≧10%) 患者:57.9-58.0%。

追跡期間中央値

17.2ヵ月

PFS中央値

  • EV+P群:12.5ヵ月
(95%CI 10.4-16.6ヵ月)

  • 化学療法群:6.3ヵ月
(95%CI 6.2-6.5ヵ月)
HR 0.45 (95%CI 0.38-0.54)、 p<0.00001

PFSのサブグループ解析

PD-L1の発現状況に関わらず、 EV+P群で良好な結果が得られた。

CPS≧10%

HR 0.42 (95%CI 0.33-0.53)

CPS<10%

HR 0.50 (95%CI 0.38-0.65)

OS中央値

  • EV+P群:31.5ヵ月
(95%CI 25.4ヵ月-NR)
  • 化学療法群:16.1ヵ月
(95%CI 13.9-18.3ヵ月)
HR 0.47 (95%CI 0.38-0.58)、 p<0.00001
【EV-302/KEYNOTE-A39】未治療UCへのEV+Pemでプラチナベース化学療法のOSを初めて上回る
(ESMO 2023発表データを基に編集部作成)

OSのサブグループ解析

シスプラチンの適格性、 PD-L1の発現状況に関わらず、 EV+P群で良好な結果が得られた。

シスプラチン適格

HR 0.53 (95%CI 0.39-0.72)

シスプラチン不適格

HR 0.43 (95%CI 0.31-0.59)

CPS≧10%

HR 0.49 (95%CI 0.37-0.66)

CPS<10%

HR 0.44 (95%CI 0.31-0.61)

ORR

  • EV+P群:67.7%
(95%CI 63.1-72.1%)
  • 化学療法群:44.4%
(95%CI 39.7-49.2%)
p<0.00001

奏効期間中央値

  • EV+P群:NR
(95%CI 20.2ヵ月-NR)
  • 化学療法群:7.0ヵ月
(95%CI 6.2-10.2ヵ月)

有害事象 (AE) の発現 (≧グレード3の治療関連AE、 インフュージョン・リアクション)

  • EV+P群:55.9%、 0%
  • 化学療法群:69.5%、 0%

Powles氏らの結論

前治療歴のないla/mUC患者において、 EV+Pの併用療法は、 化学療法と比較してPFSとOSの中央値をほぼ2倍に延長させることが示された。 本試験は、 プラチナ製剤ベースの化学療法をOSにおいて凌駕した初めての試験である。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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