海外ジャーナルクラブ
1年前
Olbrichらは、 皮膚エリテマトーデス (CLE) の患者を対象に、 心疾患および血管疾患 (CVD) のリスク増加との関連性を後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 CLEとその主要亜型である慢性円板状エリテマトーデス (DLE) は、広範な心疾患およびCVDのリスク増加と関係していることが明らかとなった。 本研究はEBioMedicine誌において発表された。
novel treatment は現状ではありませんが、 まずはスクリーニングが大切ですね。 そこから一つずつ始めていく必要があります。
自己免疫性皮膚疾患は、 他の臓器を含むさまざまな全身性の後遺症を促進する可能性がある。 皮膚に限局しているが、 CLEは血栓塞栓性疾患との関連が指摘されている。 しかし、 これまでの報告はコホート規模が小さく、 転帰が部分的に不一致であったり、 CLEのサブタイプに関するデータが欠落、 あるいはリスク評価が不完全であることなどから、 これらの知見には限界がある。
CLE、 DLE、 SCLEの診断後に心疾患およびCVDを発症するリスクを決定する傾向一致コホート研究を行った。
全身性エリテマトーデス患者は除外した。
CLEおよびそのサブタイプのDLEは、 さまざまな心疾患および血管疾患のリスクが高かった一方で、SCLEはそれほど高くなかった。 同リスクには、 肺塞栓症、 脳梗塞、 急性心筋梗塞などの血栓塞栓性イベントが主に含まれるが、 末梢血管疾患や心膜炎も含まれる。 例えば、 CLE診断後の動脈塞栓症および血栓症のHRは1.399 (95%CI 1.230-1.591、 p<0.0001) だった。
同研究は、 後ろ向きなデータ収集とICD10-疾患分類に依存しているため限界がある。
CLEおよびその主要な亜型であるDLEは、 広範な心疾患および血管疾患の発症リスクの増加と関係している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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