海外ジャーナルクラブ
6日前

Kobayashiらは、 HPVワクチン未接種の娘 (12~18歳) を持つ日本の女性保護者848人を対象に、 ワクチン関連のAI搭載チャットボットと政府発行リーフレットによるワクチンリテラシーや接種意向への影響を比較する無作為化比較試験を実施した。 その結果、 主要評価項目であるリテラシースコアの調整平均差は、 介入直後は0.30点 (95%CI 0.18-0.43点, p<0.001)、 2週後も0.30点 (95%CI 0.13-0.47点) といずれもチャットボット群の方が高かった。 一方、 2週後の接種意向に有意差は認められなかった (40.3% vs 39.6%)。 試験結果はJAMA Network Openに発表された。
2週時点の追跡データ欠損があり、 リテラシー解析は日本在住の無作為化841例中477例に限られ、 精度低下および残余脱落バイアスの可能性があります。
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日本では子宮頸癌が依然として重要な公衆衛生上の課題であり、 年間1万例を超える新規罹患と約3,000例の死亡が報告されている。 HPVワクチンは2013年に定期接種化されたが、 有害事象を疑う報道を契機に積極的勧奨が差し控えられ、 接種率は約70%から1%未満まで低下した。 2022年に積極的勧奨が再開された後も接種率と信頼の回復は緩やかで、 政府による推奨だけでは長期の論争後の信頼を取り戻すには十分でない可能性がある。
対話型AIは、 ワクチンに関する疑問に即時かつ個別に答える手段となり得るが、 HPVワクチンの情報提供に関する無作為化比較試験によるエビデンスは限られている。
本試験は、 AI搭載チャットボットが、 政府が発行する教育資材と比べて保護者のHPVワクチンリテラシーを向上させるかどうかを検証する目的で実施された。
2024年11月30日~12月27日に、 HPVワクチン未接種の12~18歳の娘を持つ女性保護者848人を対象とした全国規模のオンライン調査パネルを通じ、 並行群間無作為化比較試験が実施された。
参加者は以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。
両群とも割り付けられた資材を5分以上閲覧することが求められた。
主要評価項目はHPVワクチンに関するリテラシーで、 HPVおよびワクチン接種に関する7問の正答数 (0~7点) を介入直後と2週後に評価した。 各時点の群間差は、 ベースラインのリテラシーや保護者の年齢、 学歴、 世帯年収、 医療関連の背景、 居住地域を調整した共分散分析 (ANCOVA) により検討した。 解析には、 日本在住の無作為化例のうち、 ベースラインと各評価時点のデータが得られた対象者による修正intention-to-treat (mITT) 集団を用いた。
副次評価項目は2週後の接種意向で、 「接種させたい」 または 「非常に接種させたい」 と回答した保護者を 「接種意向あり」 と定義した。 群間差は、 ベースラインの接種意向やリテラシーなどを調整した多変量ロジスティック回帰分析により評価した。
無作為化された848人から国外在住者などを除く841人中704人(83.7%; チャットボット群353人、 リーフレット群351人) が介入直後のmITT解析に、 841人中477人 (56.7%、 同237人、 240人) が2週後のmITT解析に含まれた。 参加者703人において40~49歳が63.6%、 大学・短大卒が67.1%、 世帯年収400万円以上が75.6%を占めた。
介入直後のANCOVAでは、 チャットボット群のリテラシーはリーフレット群より高く、 調整平均差は0.30点 (95%CI 0.18-0.43点, p<0.001) であった。
記述統計では、 平均 (標準偏差) スコアがチャットボット群で5.01 (1.15) から5.47 (0.97)、 リーフレット群で4.85 (1.18) から5.10 (1.04) へ推移し、 変化量はそれぞれ0.47 (1.04) 点・0.25 (0.99) 点であった。
2週後のANCOVAでも調整平均差は0.30点 (95%CI 0.13-0.47点, p<0.001) でチャットボット群が上回り、 変化量は0.40 (1.21) 点 vs 0.28 (1.13) 点であった。
2週後の接種意向は、 チャットボット群40.3% (253人中102人)、 リーフレット群39.6% (260人中103人) であり、 調整後も両群間に有意差は認められなかった (調整オッズ比0.74, 95%CI 0.41-1.33, p=0.31)。
探索的解析では、 リテラシーの変化と接種意向の関連は介入直後 (1点増加当たり調整オッズ比1.24, 95%CI 0.95-1.62, p=0.11)、 2週後 (同0.95, 95%CI 0.67-1.36, p=0.79) のいずれでも有意ではなかった。
欠測データに対する逆確率重み付けや反復測定の線形混合効果モデルを用いた感度解析は、 主要なANCOVAの結果と概ね一致していた。
著者らは 「日本の12~18歳の娘を持つ保護者を対象とした無作為化比較試験から、 HPVワクチンに関するAI搭載チャットボットは、 介入直後および2週後のいずれにおいても、 政府発行のリーフレットより高いリテラシーをもたらした。 一方で、 2週後の接種意向に両群間で有意差を認めなかった。 これらの知見は、 AIは公式情報や信頼される医療者・公衆衛生当局による推奨を置き換えるものではなく、 それらを補完する手段として有用であることを裏付けるものである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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