【FIRIS試験】転移性大腸癌に対するIRIS+ベバシズマブ
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1年前

【FIRIS試験】転移性大腸癌に対するIRIS+ベバシズマブ

【FIRIS試験】転移性大腸癌に対するIRIS+ベバシズマブ
転移性直腸結腸癌患者の2次治療について、 IRIS (イリノテカン+ S-1) 療法のFOLFIRI (フルオロウラシル+レボホリナート+イリノテカン) に対する非劣性が、 無増悪生存期間 (PFS) を指標として証明された。

原著論文

中間解析結果

Irinotecan plus S-1 (IRIS) versus fluorouracil and folinic acid plus irinotecan (FOLFIRI) as second-line chemotherapy for metastatic colorectal cancer: a randomised phase 2/3 non-inferiority study (FIRIS study). Lancet Oncol. 2010 Sep;11(9):853-60. PMID: 20708966

▼長期解析結果

A phase 3 non-inferiority study of 5-FU/l-leucovorin/irinotecan (FOLFIRI) versus irinotecan/S-1 (IRIS) as second-line chemotherapy for metastatic colorectal cancer: updated results of the FIRIS study. J Cancer Res Clin Oncol. 2015 Jan;141(1):153-60. PMID: 25106731

関連レジメン

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FIRIS試験の概要

対象

日本人で1次治療終了後の切除不能・進行再発直腸結腸癌患者

 (毒性や病状進行による1次治療中止例に加え、 術前または術後化学療法から24週以内の再発例を含む)

方法

426例を以下の2群に1:1で割り付けた。

  • IRIS群 (213例)
イリノテカン125mg/m² 点滴をDay1,15、 S-1 40mg/m²1日2回 経口をDay1~Day15に服用し14日休薬、 4週毎に繰り返す
  • FOLFIRI群 (213例)
レボホリナート200mg/m²点滴をDay1、 イリノテカン150mg/m²点滴をDay1、 フルオロウラシル400mg/m² 急速静注をDay1、 2400mg/m² 持続静注をDay1~3、 2週毎に繰り返す

評価項目

主要評価項目:PFS

副次評価項目:全生存期間 (OS) 、 奏効率、 有害事象 (AE)

FIRIS試験の結果

追跡期間中央値

中間解析:12.9ヵ月

長期解析:39.2ヵ月

患者背景 (IRIS群、 FOLFIRI群)

  • 年齢中央値:61.0歳、 63.0歳
  • ECOG PS0:74.2%、 75.1%
PS0、 1のみが適格
  • オキサリプラチン(L-OHP) 前治療歴あり:60.6%、 60.1%

PFS中央値

中間解析

  • IRIS群:5.8ヵ月
  • FOLFIRI群:5.1ヵ月
調整HR 1.077 (95%CI 0.879-1.319)、 p=0.039
※非劣性マージンは0.333に設定 (HR1.333)

長期解析

  • IRIS群:5.8ヵ月
  • FOLFIRI群:5.1ヵ月
調整HR 1.058 (95%CI 0.869-1.289)、 p=0.022

L-OHP前治療歴に交互作用が認められ、 L-OHP前治療歴がある患者はIRIS群が優れ、 L-OHP治療歴がない患者はFOLFIRI群が優れる傾向を認めた。

OS中央値

中間解析

  • IRIS群:19.5ヵ月
  • FOLFIRI群:18.2ヵ月
調整HR 0.909 (95%CI 0.699-1.181)

長期解析

  • IRIS群:17.8ヵ月
  • FOLFIRI群:17.4ヵ月
調整HR 0.900 (95%CI 0.728-1.112)、 p=0.0003

奏効率

  • IRIS群:18.8%
  • FOLFIRI群:16.7%

AE

  • IRIS群と比較してFOLFIRI群に多く認めたGrade3、 4のAEは、 好中球減少 (52.1%vs36.2%) だった。
  • 一方で、 FOLFIRI群と比較してIRIS群に多く認めたGrade3、 4のAEは、 下痢 (20.5%vs4.7%) だった。

著者らの結論

切除不能・進行再発直腸結腸癌患者の2次治療として、 IRIS群のPFSはFOLFIRI群と比較して非劣性であり、 2次治療の選択肢となり得る。

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