海外ジャーナルクラブ
1年前
Wangらは、 限局性軟部肉腫 (STS) 患者を対象とした2件の多施設共同非第Ⅱ相ランダム化比較試験 (RTOG 9514、 RTOG 0630) の補助解析を実施し、 病理学的完全奏効(pCR)と生存転帰の関係を検討。 その結果、 pCRが限局性STS患者の予後改善と関連していることが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
nが100に満たない2つの研究を組み合わせて、 きちんとpotential covariatesでmultivariable analysisまで行われています。
pCRは、 STS患者の予後と関連する可能性がある。
限局性STS患者143例
全生存期間 (OS) および無病生存期間 (DFS) を Kaplan-Meier 法で推定。
ハザード比 (HR) およびP値は、 可能な場合は試験により層別化した多変量Coxモデルにより推定し、 それ以外の場合は層別化ログランク検定によりP値を算出。
全体として、 pCRを得られた患者はpCRを得られなかった患者と比較してOS (P = 0.01) およびDFS (HR, 4.91; 95% CI, 1.51-15.93; P = .008) の改善と関連していた。
平滑筋肉腫、 脂肪肉腫、 粘液線維肉腫以外の組織型は、 OS悪化と関連していた (HR 2.24、 95%CI 1.12-4.45)。
2件の臨床試験の補助解析により、 pCRはSTS患者の生存率向上と関連することがわかった。 今後の研究において臨床転帰の予後因子として考慮する必要がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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