【JAMA Oncol】限局性軟部肉腫のpCRはOS改善と関連
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Oncol】限局性軟部肉腫のpCRはOS改善と関連

【JAMA Oncol】限局性軟部肉腫のpCRはOS改善と関連
Wangらは、 限局性軟部肉腫 (STS) 患者を対象とした2件の多施設共同非第Ⅱ相ランダム化比較試験 (RTOG 9514、 RTOG 0630) の補助解析を実施し、 病理学的完全奏効(pCR)と生存転帰の関係を検討。 その結果、 pCRが限局性STS患者の予後改善と関連していることが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。 

📘原著論文

Pathologic Complete Response and Clinical Outcomes in Patients With Localized Soft Tissue Sarcoma Treated With Neoadjuvant Chemoradiotherapy or Radiotherapy: The NRG/RTOG 9514 and 0630 Nonrandomized Clinical Trials.JAMA Oncol. 2023 Mar 30;e230042.PMID: 36995690

👨‍⚕️監修医師のコメント

nが100に満たない2つの研究を組み合わせて、 きちんとpotential covariatesでmultivariable analysisまで行われています。

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背景

pCRは、 STS患者の予後と関連する可能性がある。

研究デザイン

対象

限局性STS患者143例

  • RTOG 9514:64例
  • RTOG 0630:79例

介入

  • RTOG 9514:術前補助化学放射線療法 (CT-RT)
  • RTOG 0630:術前画像誘導放射線療法 (RT)

主要評価項目

全生存期間 (OS) および無病生存期間 (DFS) を Kaplan-Meier 法で推定。

副次評価項目

ハザード比 (HR) およびP値は、 可能な場合は試験により層別化した多変量Coxモデルにより推定し、 それ以外の場合は層別化ログランク検定によりP値を算出。

研究結果

pCRを得た患者

  • RTOG 9514:27.5% (51例中14例)
  • RTOG 0630:19.4% (72例中14例)

5年OS

  • pCRを得た患者の5年OS:100%
  • pCRを得られなかった患者の5年OS
  • RTOG 9514:76.5% (95%CI 62.3-90.8%)
  • RTOG 0630:56.4% (95%CI 43.3-69.5%)

全体として、 pCRを得られた患者はpCRを得られなかった患者と比較してOS (P = 0.01) およびDFS (HR, 4.91; 95% CI, 1.51-15.93; P = .008) の改善と関連していた。

5年局所不成功率

  • pCRを得られた患者:0%
  • pCRを得られなかった患者
  • RTOG 9514:11.7% (95%CI 3.6-25.1%)
  • RTOG 0630:9.1% (95%CI 3.3-18.5%)

組織型とOSとの関連

平滑筋肉腫、 脂肪肉腫、 粘液線維肉腫以外の組織型は、 OS悪化と関連していた (HR 2.24、 95%CI 1.12-4.45)。

結論

2件の臨床試験の補助解析により、 pCRはSTS患者の生存率向上と関連することがわかった。 今後の研究において臨床転帰の予後因子として考慮する必要がある。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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