【JAMA Oncol】ILD合併早期NSCLCに対して定位放射線治療は導入すべきか?
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海外ジャーナルクラブ

8ヶ月前

【JAMA Oncol】ILD合併早期NSCLCに対して定位放射線治療は導入すべきか?

【JAMA Oncol】ILD合併早期NSCLCに対して定位放射線治療は導入すべきか?
Palmaらは、 間質性肺疾患 (ILD) を合併する非小細胞肺癌 (NSCLC) の患者を対象に、 定位放射線治療 (SABR) の有益性と安全性を前向きコホート研究で検討した。 その結果、 SABRの使用は毒性と有効性の両方について事前に規定された許容閾値を満たしていることが示された。 本研究は、 JAMA Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Stereotactic Radiation Therapy in Early Non-Small Cell Lung Cancer and Interstitial Lung Disease: A Nonrandomized Clinical Trial. JAMA Oncol. 2024 Mar 7:e237269. PMID: 38451491

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

最も重要な安全性の部分で事前に想定された半分程度の有害事象であったことから、 有害事象を減らす薬物治療と組み合わせたさらなる治療法の改良が期待されます。


ILD合併例はSABR後の毒性リスクが高い

ILDを合併したNSCLC患者は、 SABR後の毒性作用のリスクが高いことが報告されているが、 多くの患者にとって代替治療の選択肢は限られている。

主要評価は1年時OS

ILD合併NSCLC患者が対象

線維性ILDを有し、 T1-2N0 NSCLCと診断された患者で、 外科的切除の対象ではない18歳以上の症例

1日おきにSABRを実施

患者には、 1日おきにSABRで50Gyを5回分割照射した。

1年後のOS、 PFS、 安全性などを評価

▼主要評価項目

1年後の全生存期間 (OS)

全生存期間中央値が1年以上であり、 毒性作用のGrade3~4のリスクが35%未満、 毒性作用のGrade5のリスクが15%未満であれば、 SABRは価値があるとみなすと事前に規定

▼副次評価項目

毒性作用、 無増悪生存期間 (PFS) 、 局所制御 (LC) 、 QOLアウトカム、 肺機能の変化など

OS中央値は2年以上に

有効性評価

  • 1年後のOS : 79% (95%CI 62-89)
  • OS中央値 : 25ヵ月 (95%CI 14ヵ月-NR)
  • PFS中央値 : 19ヵ月 (95%CI 13-28ヵ月)
  • 2年LC : 92% (95%CI 69-98)

安全性評価

有害事象の発現率

  • Grade 1~2 : 31% (12例)
  • Grade 3 : 10% (4例)
  • Grade 4 : 0% (0例)
  • Grade 5 : 7.7% (3例)
すべて呼吸器系の悪化による。

治癒目的のSABRの導入を支持

著者らは、 「線維性ILDを合併するNSCLCの患者におけるSABRの使用は、 毒性と有効性の両方について事前に規定された許容閾値を満たしており、 リスクと有益性を慎重に検討した上で治癒を目的とした治療にSABRを使用することを支持するものであった」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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