海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前

Chenらは、 神経線維腫症1型 (NF1) に伴う切除不能で症候性の叢状神経線維腫 (PN) を有する成人患者を対象に、 MEK阻害薬セルメチニブの有効性および安全性を国際多施設共同第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照並行群間無作為化比較試験KOMETで評価した。 その結果、 セルメチニブはプラセボと比べて客観的奏効率 (ORR) の有意な改善を示した。 試験結果はLancet誌に発表された。
PlexiQoLは、 NF1に関連するPNを有する成人患者のQOLを評価するために開発された比較的新しい指標であり、 初めて変化を捉える能力が検証されました。
現在、 NF1に伴う切除不能で症候性叢状神経線維腫 (PN) において、 成人患者を対象に承認された治療法は依然としてない*。
そこで第Ⅲ相試験KOMETでは、 成人患者におけるセルメチニブの有効性および安全性を評価した。
切除不能で症候性のPNを有するNF1成人患者145例が以下の2群に割り付けられた。
プラセボ群は、 盲検下独立中央判定 (BICR) により放射線学的に病勢進行が確認された場合、 または12サイクル終了後にセルメチニブへのクロスオーバーが許容された。
主要評価項目は、 REiNS (神経線維腫およびシュワノマトーシスにおける奏効評価) 基準に基づいたBICRによる16サイクル時点の客観的奏効率 (ORR) であった。
主要評価項目である16サイクル時点のORRは、 セルメチニブ群が20% (95%CI 11.2–30.9%) であり、 プラセボ群の5% (95%CI 1.5–13.3%) と比べて有意に改善した (p=0.011)。
また、 セルメチニブ群の奏効までの期間中央値は3.7ヵ月と迅速であった。
ベースラインで慢性疼痛スコアが3以上であった患者において、 12サイクル時点までの慢性疼痛スコアの変化量 (最小二乗平均±標準誤差) は、 セルメチニブ群が-2.0±0.30 (95%CI -2.4--1.4) であり、 プラセボ群の-1.3±0.29 (95%CI -1.8--0.7) と比べて低下幅が大きかったものの、 有意差は認められなかった (p=0.070)。
PlexiQoLスコアの12サイクル時点までの変化量においても、 両群間で有意差は認められなかった。
セルメチニブ群の有害事象は、 既報の安全性プロファイルと一致していた。
著者らは 「切除不能で症候性のPNを有する成人NF1患者を対象とした初の国際共同プラセボ対照無作為化比較試験KOMETにおいて、 セルメチニブはプラセボと比べてORRを有意に改善し、 安全性プロファイルは既報と一致していた。 さらに、 16サイクル時までの腫瘍容積の減少、 慢性疼痛および突出痛の軽減、 鎮痛薬使用の減少、 および疼痛による生活障害の軽減が示され、 NF1に伴うPNを有する成人患者に対してセルメチニブの有効性が示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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