海外ジャーナルクラブ
2年前
Desaiらは, びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) と原発性縦隔LBCLと診断された患者を対象に, 切除生検 (EB) と針生検 (CNB) を受けた場合の転帰や検体量の差を観察研究で検討. その結果, CNBの方が, 病期進行, 国際予後指標 (IPI) ≧3, 分子解析のための検体量が不十分であった患者の割合が有意に高かった. 本研究は, Blood Adv誌において発表された.
本研究は血液領域のバイオマーカー主体の臨床研究において, 組織要件がどんどんと高まる中, ハイリスク患者はその要件を満たさず, 最新の治療を受けることができない可能性があることを指摘しています. 見方を変えれば, 血液領域はそれだけ様々な新しい治療が出てきている領域とも言えます.
CNBを受ける患者は, リスク特性が悪く, フロントライン治療での転帰が劣り, 分子解析のための検体量が不十分である可能性が高く, バイオマーカー主導型臨床試験の組織要件を満たせない可能性がある. したがって, バイオマーカー主導型臨床試験の組織要件を高めることは, 新規薬剤を必要とする高リスクのDLBCL患者を排除することにつながる可能性がある.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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