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海外ジャーナルクラブ

39日前

【Blood Adv】リンパ腫の臨床試験、 組織要件の増加によりハイリスク患者が除外されている可能性

Desaiらは, びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) と原発性縦隔LBCLと診断された患者を対象に, 切除生検 (EB) と針生検 (CNB) を受けた場合の転帰や検体量の差を観察研究で検討. その結果, CNBの方が, 病期進行, 国際予後指標 (IPI) ≧3, 分子解析のための検体量が不十分であった患者の割合が有意に高かった. 本研究は, Blood Adv誌において発表された. 

📘原著論文

Increasing tissue requirements in lymphoma trials may exclude patients with high risk disease or worse prognosis. Blood Adv. 2022 Sep 28;bloodadvances.2022007569. PMID: 36170803

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究は血液領域のバイオマーカー主体の臨床研究において, 組織要件がどんどんと高まる中, ハイリスク患者はその要件を満たさず, 最新の治療を受けることができない可能性があることを指摘しています. 見方を変えれば, 血液領域はそれだけ様々な新しい治療が出てきている領域とも言えます.

🔢関連コンテンツ

CNS-IPIスコア

DLBCLのCNS再発リスクスコア

NCCN-IPI

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の国際予後指標

R-IPI

DLBCLの修正国際予後指標 (revised IPI)

背景

  • DLBCLの分子的不均一性の理解が深まったことにより, サブタイプ特異的な活性を持つ新規薬剤を評価する臨床試験への扉が開かれた. CNBが, これらの臨床試験で要求される検体量を十分に満たすことができるかどうかは疑問である.
  • このことは, EBを受けることができる患者を選択的に登録することにつながる可能性がある.
  • また, 広範な診断的検査を受けることができる患者とそうでない患者で, 疾患の特徴や転帰に違いがあるかどうかを知ることも重要である.

研究デザイン

  • 対象:新たにDLBCLと原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫と診断された患者:1061名
  • EB群:532名
  • CNB群:529名

研究結果

  • CNB群はEB群に比べ, 病期進行, IPI≧3, 分子解析のための検体量が不十分であった患者の割合が有意に高かった.
  • CNB群はEB群に比べ, 5年無イベント生存率が著しく不良であった.
  • EB群:67.6%
  • CNB群:56.9%
HR 0.76, 95%CI 0.6-0.9, P<0.001

結論

CNBを受ける患者は, リスク特性が悪く, フロントライン治療での転帰が劣り, 分子解析のための検体量が不十分である可能性が高く, バイオマーカー主導型臨床試験の組織要件を満たせない可能性がある. したがって, バイオマーカー主導型臨床試験の組織要件を高めることは, 新規薬剤を必要とする高リスクのDLBCL患者を排除することにつながる可能性がある.

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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