海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

金沢大学大学院泌尿器科学の溝上敦氏らの研究グループは、 転移を有する高リスクなホルモン療法未治療前立腺癌 (mHNPC) 患者に対するアンドロゲン除去療法 (ADT) /複合アンドロゲン遮断 (CAB) 療法およびADT+アンドロゲン受容体経路阻害薬 (ARPI) 併用療法の臨床転帰について、 日本の大規模縦断多施設共同レジストリ研究J-ROCKの3年間中間解析に基づく事後サブグループ解析で評価した。 その結果、 ADT+ARPI併用療法はADT/CABと比べて、 特に予後不良患者における転帰を改善する可能性が示唆された。 本研究はProstate誌において発表された。
コホート間のベースライン特性の差はCox回帰モデルに組み込まれておらず、 患者背景に関連する未知のバイアスを排除できないため、 有効性と安全性の比較解釈には慎重さが必要です。
日本の実臨床において、 mHNPCの標準治療は、 ADT、 CAB療法、 ADT+ARPI併用療法、 ADT+ドセタキセル併用療法である。
日本の実臨床における臨床転帰および患者報告アウトカムを評価したレジストリ研究J-ROCKのこれまでの中間解析では、 新規診断のLATITUDE基準高リスクmHNPC患者において、 ADT/CAB療法と比べてADT+ARPI併用療法またはADT+ドセタキセル併用療法が多く使用されていた。
そこでレジストリ研究J-ROCKの3年間中間解析に基づく事後サブグループ解析では、 ベースライン時の既知の予後因子である年齢、 Gleasonグレードグループ (GGG)、 アルカリホスファターゼ (ALP)、 ヘモグロビン (Hb)、 乳酸脱水素酵素 (LDH) に基づいてサブグループを定義し、 ADT/CAB療法 (コホート1、 371例) またはADT+ARPI (コホート2B、 576例) を投与された高リスクmHNPC患者 (20歳以上) 947例を対象として、 前立腺特異抗原 (PSA) 奏効、 無増悪生存期間 (PFS)、 去勢抵抗性前立腺癌 (CRPC) 到達時間、 全生存期間 (OS)、 および安全性を評価した。
PSA奏効率は、 両コホートの年齢およびGGGの各サブグループ間で同様であったが、 コホート2BではALP高値、 Hb低値、 LDH高値を示す患者で低下が認められた。
CRPC到達時間およびOSは、 予後因子によらず、 コホート1と比べてコホート2Bで延期した
予後不良患者 (高齢、 高GGG、 低Hb、 高LDH) におけるOS低下は、 コホート2Bと比べてコホート1でより早期に認められた。
CRPC到達時間曲線は、 予後不良患者を含め、 両コホートで横ばい傾向を示した。
安全性データは予後因子や治療法による影響を受けなかった。
著者らは 「本研究の結果は、LATITUDE基準高リスクmHNPC患者に対するADT+AあRPI併用療法が、 ADTやCAB療法と比べて、 特に予後不良患者において実臨床での転帰を改善する可能性を示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。