HOKUTO編集部
5日前
新規診断の慢性骨髄性白血病 (CML-CP) におけるABLミリストイルポケット結合型 (STAMP) 阻害薬アシミニブの有効性について、 医師選択の標準TKIを対照に検証した第Ⅲ相多施設オープンラベル無作為化比較試験ASC4FIRSTの長期解析の結果より、 96週時点においても分子遺伝学的大寛解 (MMR) 達成率*が有意に改善した。 米・Augusta UniversityのJorge E. Cortes氏が発表した。
本試験は、 新規に診断されたフィラデルフィア染色体陽性 (Ph+) のCML-CP患者を対象に、 アシミニブと担当医選択のチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) を比較した試験である。 今回は、 追跡期間中央値2.2年 (96週) 時点 (データカットオフ : 2024年10月22日) における主要な副次評価項目の結果が報告された。
>> 主解析の結果はこちら
2024年10月22日のデータカットオフ時点で治療を中止した患者の割合は、 IS-TKI群が38.2%と、 ASC群の17.9%と比較し、 およそ2倍であった。 そのうち有害事象 (AE) により治療が中止となった割合は、 IS-TKI群が12.7%、 ASC群が6.0%であった。
96週時におけるASC群 vs IS-TKI群のMMR率は、 ASC群が74.1%、 IS-TKI群が52.0%と、 48週時の結果から引き続きASC群で有意に良好な結果であった (群間差 22.4%㌽、 p<0.001) 。 ASC IMA群 (76.2%) とIS-TKI IMA群 (47.1%) の比較においても48週目と同等の結果であった (群間差 29.7%㌽、 p<0.001)。
またASC 2G群 (72.0%) とIS-TKI 2G群 (56.9%) の比較では、 2群間の差が15.1%㌽ (95%CI 2.3-28.0%㌽) と、 48週目時点 (8.2%㌽) と比較しおよそ2倍まで増加した。
96週時MMR率のサブグループ解析の結果では、 事前に規定された全サブグループにおいて、 ASC群のIS-TKI群に対する優位性が一貫して認められた。
累積MMR率に関しても、 96週時点でASC群が80.5%、 IS-TKI群が62.1%であり、 48週時に引き続きASC群で高い割合を示した。 この傾向は、 ASC IMA群 (80.0%) とIS-TKI IMA群 (56.5%) の2群と、 ASC 2G群 (81.0%) とIS-TKI 2G群 (67.6%) の2群のいずれにおいても同様に見られた。
96週時点のBCR::ABL1 IS≦0.01% (MR4) 達成割合はASC群が48.8%、 IS-TKI群が27.5%、 BCR::ABL1 IS≦0.0032% (MR4.5) 達成割合はASC群が30.9%、 IS-TKI群が17.7%であり、 どちらもASC群で良好な結果であった。
また96週時点の累積MR4率および累積MR4.5率に関してもASC群で高い割合を示した (累積MR4率 : ASC群50.5%、 IS-TKI群34.1%、 累積MR4.5率 : それぞれ33.0%、 20.0%)。
Grade3以上のAE発現率は、 ASC群が44.5%、 IS-TKI IMA群が49.5%、 IS-TKI 2G群が59.8%だった。 また治療中止に至ったAE発現率はそれぞれ5.0%、 13.1%、 12.7%、 用量調整や治療中断に至ったAEは33.0%、 41.1%、 57.8%で認められ、 いずれもASC群で良好な結果であった。
Cortes氏は 「TKIの投与歴がない初発のPh+CML-CP患者において、 アシミニブはTKIと比較して、 有効性および忍容性のプロファイルが良好であり、 標準治療としてのアシミニブの使用を支持する結果であった」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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