海外ジャーナルクラブ
2年前
Machetらは, 出産可能年齢のホジキンリンパ腫 (HL) 患者を対象に, ABVD療法が妊孕性に及ぼす影響を非介入型多施設共同研究で検討. その結果, HLに対してABVD治療を受けた女性の妊娠数, 出産数, 妊娠開始までの期間は, 対照群と差がないことが明らかとなった. 本研究は, Blood Adv誌において発表された.
本研究結果は慎重に判断する必要があります. 結論はホジキンリンパ腫へのABVD療法, 妊孕性への影響はなし, というimpactの強いものです. しかしながら, 後ろ向きアンケート調査で, 回答率が52%であることから, 選択バイアス・思い出しバイアスの強い研究です. 科学的な見地からは, 結論は修正が必要なレベルと考えます.
HLの若年女性において, 妊孕性の温存は大きな関心事となっているが, 現在最も頻繁に処方されているABVD療法後の妊娠率については, ほとんど研究されていない.
HLに対してABVD治療を受けた若い女性の妊娠数, 出産数, 妊娠開始までの期間は, 対照群と差がなかった. したがって, HLでABVDによる治療を受けた女性は, 生殖能力に関して安心できると考えられる.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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