海外ジャーナルクラブ
2年前
Abeらは、 シスプラチンを含む化学療法誘発性悪心・嘔吐 (CINV) に対する3剤標準制吐療法へのオランザピン追加投与の有効性を二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相ランダム化臨床試験 (J-FORCE試験) の二次解析で検討。 その結果、 リスク因子の有無にかかわらず、 CINV対策としてオランザピン5mgと3剤標準制吐療法を用いることの有益性が示唆された。 本研究はJAMA Netw Open誌において発表されました。
是非とも図1を実際に見ていただきたいのですが、 プラセボの高い (高すぎる) 奏効率です。 有意差は統計学的に出ているのですが、 この結果の解釈は非常に難しいです。 あまり過去に例のない実臨床データですので、 是非ともこのデータを各々で味わっていただきたいです。
催吐性の高い化学療法を受けるすべての患者に対して、 オランザピンと3剤標準制吐療法の併用が有効であるかは不明である。
悪性腫瘍を有し、 シスプラチン未治療の20~75歳の患者。
患者を1:1の割合で以下の群にランダムに割り付け。
遅延期 (シスプラチンベースの化学療法投与後24~120時間) における完全奏効 (CR)。
6つのCINVリスクファクターに関する急性期、 遅延期、 全体期のCR、 完全制御、 完全制御、 および治療失敗までの時間。
遅発期のCRのリスク差 (RD) は、 プラセボ群よりオランザピン群において有意に大きかった。
サブグループ解析においても、 CRの遅延はプラセボ群よりオランザピン群の方が高かったが、 有意に高いというわけではなかった。
リスクファクターの有無にかかわらず、 CINV対策としてオランザピン5mg+3剤標準制吐療法を用いることの有用性を示唆している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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