海外ジャーナルクラブ
2年前
Dequinらは重症市中肺炎でICUに入院した成人患者を対象に、 ヒドロコルチゾンの死亡減少効果を第Ⅲ相多施設共同二重盲検ランダム化比較試験で検討。 結果、 ヒドロコルチゾン投与群はプラセボ群に比べ、 28日目までの死亡リスクが低かった。 本研究はNEJM誌において発表された。
フランスからの研究成果です。 急性呼吸促迫症候群(ARDS)の筋弛緩といい今回の肺炎に対するステロイドと言い、 歴史的な研究成果と言えます。 オーストラリア/ニュージーランドや中国みたいに大きな研究成果をどんどん発表してくる訳ではないのですが、 ピリッと効いた存在感です。 日本もこのような形を見習わないといけないと思います。 約半数で病原体がわかっていないなどのlimitationはありますが、 positive resultのimpactの方が強いです。
グルココルチコイドの抗炎症作用や免疫調節作用が、 重症市中肺炎患者の死亡率を低下させるかどうかは不明である。
重症市中肺炎でICUに入院した成人患者
28日時点の死亡率
ベースライン時に人工呼吸器管理を行っていなかった患者における気管挿管は、ヒドロコルチゾン群で18.0% (222例中40例) 、プラセボ群で29.5% (220例中65例) に行われた。
ベースライン時に昇圧薬を投与されていなかった患者において、28日目までに昇圧薬が投与されたのは、ヒドロコルチゾン群では15.3% (359例中55例) 、プラセボ群では25.0% (344例中86例) であった。
院内感染と消化管出血の頻度は両群で同程度であった。
ヒドロコルチゾン群の患者は、 治療開始後1週間はインスリンの1日投与量が多くなっていた。
ICUで治療中の重症市中肺炎患者において、 ヒドロコルチゾン投与群はプラセボ投与群に比べ、 28日目までの死亡リスクが低かった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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