海外ジャーナルクラブ
11日前

Mannucciらは、 大腸内視鏡検査を受けた平均的リスクの個人を対象に、 血中miRNAを用いた血液検査の大腸癌・進行腺腫に対する診断性能を、 多施設研究DENEBで検討。 検証コホートでは、 大腸癌・進行腺腫の識別能はAUC 95%で、 大腸癌に対する感度は91%、 進行腺腫に対する感度は81%であった。 研究結果はLancet Gastroenterology & Hepatology誌において発表された。
EDRN phase I–IIIのoutcome-enriched designであり、 大腸癌 (一般集団 0.7%) や進行腺腫 (7~10%) を高頻度に含むため、 実臨床より診断性能を過大評価している可能性があります。
大腸癌は、 適切な検診によって罹患も死亡も予防し得る。 血液検体による検診検査は受診率の押し上げにつながり得る一方で、 前癌病変を捉えられなければ予防効果は限られたものにとどまる。
罹患と死亡の双方を減らすうえで鍵となるのは進行腺腫の検出である。 DENEB研究は、 この目的に対応する新規の血液検査を開発し評価することを目的として実施された。
DENEB研究は、 Early Detection Research Networkの第I-III相フレームワークに沿った、 多施設共同バイオマーカー研究である。 大腸癌および進行腺腫に関連する血中バイオマーカーを探索 (第I相) した後、 互いに重複しないコホートを用いて血液検査モデルの構築・学習 (第II相) および検証 (第III相) を行った。
各コホートには、 検診または診断目的の大腸内視鏡検査所見が得られた平均的リスクの個人 (18~100歳) のデータが組み入れられた。 大腸癌症例を十分に含めるため、 手術前の未治療大腸癌患者も組み入れた。 対象は内視鏡所見と組織病理所見に基づき、 大腸癌・進行腺腫・低リスク腺腫・非疾患対照 (内視鏡所見陰性) に分類された。
検査の開発では、 探索コホート1・2の小RNAシークエンスにより、 大腸癌および腺腫患者の血中で過剰発現する候補miRNAを同定した*。 同定されたバイオマーカーは臨床コホート1・2で逆転写定量PCR (RT-qPCR) により測定された**。
主要評価項目は45歳以上の全適格参加者における大腸癌および進行腺腫に対する感度と、 進行腫瘍に対する特異度であった。
開発された血液検査は、 19のcell-free miRNAと20のエクソソームmiRNAの転写発現をRT-qPCRで測定するものであった。
検証コホートである臨床コホート2において、 大腸癌および進行腺腫を非疾患対照から識別するROC曲線下面積 (AUC) は95% (95%CI 92-98%) であった。
45歳以上の全適格参加者において、 大腸癌に対する感度は病期を問わず91% (95%CI 80-96%) であり、 男性89% (同 75-96%)・女性95% (同 75-99%) であった。 Stage I・II・IIIの大腸癌に限った感度は92% (同 80-97%) であった。
45歳以上の全適格参加者における進行腺腫に対する感度は81% (95%CI 69-89%) であり、 男性82% (同 67-91%)・女性79% (同 57-92%) であった。
45歳以上の全適格参加者における進行腫瘍に対する特異度は85% (95%CI 77-90%) であった。 内視鏡所見陰性に対する特異度は83% (同 72-91%) であった。
著者らは、 「本研究の結果を踏まえ、 本アッセイの性能と臨床的有用性、 および集団ベースの検診戦略における位置付けを見極めるうえで、 大規模な前向き研究へ進む根拠が得られた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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